~平成10年(1998)~
昨夏リリースされるや、世界中でブームを巻き起こしたスマホゲームアプリと言えば「ポケモンGO」。東京お台場や大阪天保山などポケモンの巣と呼ばれる場所を、老若男女多くの人々がレアポケモンを求めて徘徊し、社会現象にまでなった。
しかし、リリース一周年のタイミングで配信元が新システムや「伝説」と呼ばれるポケモンの配信を開始すると、ブームは一気に再燃。この夏の横浜で行われたイベントは猛暑の中、全国から大勢のポケモンマスターを呼び集めた。
ところで、ポケモンと歩きゲーの組み合わせは今回が初めてではない。平成10年に登場したポケモンGOのご先祖様と言えるのが「ポケットピカチュウ」。
このポケットピカチュウの登場より一年以上前に、このジャンルのパイオニアとなっていたのが「てくてくエンジェル」。こちらは当時流行中の育てゲーにデジタル万歩計をプラスしたような携帯ゲーム。現在より幼児二人分ほど軽かった私は当時体重の増加が始まったことに危機感を抱いており、早速このゲームに飛びついた。
だが元来飽きっぽい私は、一週間もするとエンジェルを食卓に放置するようになる。それからさらに数日後、「ひさしぶりに歩くか」とてくてくエンジェルを起動させ画面を見ると、そこにはひらがなのエンジェルからの手紙が。
「たびにでます。さがさないでください」
私は自身の飽きっぽさを呪い、食卓に突っ伏してただただ涙したのであった。