「姉」っていいですよね。
アダルティでかっこいいお姉ちゃんもいいのですが、ちょっとウザくて、でもかわいくてしかたない姉とか最高ですよね。

異論は認めません。
ここ最近、アニメ・マンガ・ラノベでは妹ブームが世間を席巻していますが、姉だって負けてない、むしろ別ベクトルで大奮闘中です。
面白い姉作品は数多くありますが、今回はその中から4コママンガのうざくてかわいい姉達を紹介してみましょう。これが思った以上にいるんです。

まずは五十嵐藍「鬼灯さん家のアネキ」
血のつながっていない姉弟の話なのですが、いやあアネキのエロいたずらが激しくてとどまるところを知らない。
弟の吾郎のベッドにハダカで忍び込んだり、お風呂に入り込んだりして弟の純情をくすぐりながら、「姉を性的対象として見過ぎじゃないの?」と突き放す。加えて醤油を飲ませ、わさびをごはんに乗せ、外で変な格好をさせるドSっぷり。だけど吾郎君ドシスコンなのでアネキに振り回されてご満悦! 姉好きM属性にはたまらない作品になっています。
とはいえただのエロコメではありません。今作、アネキが弟の吾郎にいたずらをしまくる理由が徐々に明らかになる描写が非常に巧みなのです。やんちゃで破天荒だけれど、このアネキの心情が分かるにつれて心に残る作品になっています。


次に紹介するのが高野うい「あねけん」。
駆け出し漫画家の姉、睦の生活は極めてルーズ。オタク節全開で、やることなすこといい加減。あんまりにも彼女の生き方は大雑把なので、弟が観察日記をつけたところ、それが姉の漫画の原作になるという奇妙な漫画家生活が二人の間ではじまります。
この姉が他のキャラに比べてオシャレのセンスも髪型もイマイチなのが非常に生々しい! 当然ですが家族の前だと輪をかけて服装に気を使わない、かつ色気皆無。これこそ、弟から見た「姉ちゃんうざい!」という感覚そのもの。

はっきりとしたうざい姉と振り回される弟の構図ではありますが、なんだかんだいって仲がいい。このへんもまさにリアルな姉弟。
漫画家という現実に立ち向かうことで精神的に追い詰められる様子や、ライバルとぶつかり合うことで生まれる不思議な友情など人間ドラマも笑いながら楽しめます。

三つめは作画ゆとり・原作マツダ靖の「ちいさいお姉さん」。題名がズバリですね。お姉さんすげー小さいのです。

弟の構は16歳だけどしっかり者で真面目な少年。姉の灯は20歳で小学生レベルに小さい重度のゲーマー。立派な社会人です、どう見ても子供ですが。
小動物みたいなんですよ。とにかくパタパタ走りまわって、ハムスターのよう。表情もものすごく豊かで、お酒を飲むと泥酔し、ゲームに夢中になると我を忘れる有様がもーーー可愛くて仕方ない!
それでいて弟に対してはお姉ちゃんぶるのです。
実際しっかり働くし、気配りも出来る素敵な女性なんです。が、いかんせん小さい。一生懸命頑張っている様は尊敬に値するのですが、背伸びしているお子様のようにも見える。ああなにこの姉、抱きしめたいんですが!

その他にもセンスのおかしな歳の離れた女子大生姉を描いた野広実由「うちの姉様」、すでに完結していますが強烈なマザコン弟とひどいブラコンを患った姉のホームコメディ風華チルヲ「アットホーム・ロマンス」、姉メインの4コマではないですが主人公小鳥遊君の強烈極まりない姉たちが印象的な「WORKING!!」など、4コマに出てくる姉は超個性的なメンツばかり。そういえば「けいおん!」のゆったり主人公平沢唯も姉でしたね。
どの作品も総じて、姉との関係を通じて人間関係のドラマが描かれているのが魅力の秘訣。
なんだかんだ言ってお姉ちゃんは弟にとっては大事な存在なのです。たまにうざったく見えるのは、それだけ素の姿を側で見ているから。だからうざい姉がなんだか可愛く見えてくる。そんな家族、ちょっと素敵じゃないですか。
ああ、ぼくにも少しいい加減でキュートな姉が出来ないものでしょうか。その時のぼくは高校生くらいという設定で一つ。え、どこか矛盾してる? 異論は認めません。(たまごまご)