まずカップ麺の発泡スチロール容器に関しては、今から15年以上も前に「熱湯を注ぐことで容器から内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)が溶け出す」との危険性が指摘され、紙容器のカップ麺が登場した。その後、2000年に当時の通産省と環境庁が「その証拠は不十分」と発表したため、発砲スチロール容器が復活。しかし2004年には、カップ麺にエゴマ油を入れて100度の熱湯を注ぐと容器の溶解が見られることが確認され、2006年には東京都健康安全研究センターが、「動物実験を経て環境ホルモン作用が認められた」と発表した。
日本におけるカップ麺の容器の危険性についてはこうした認識であるが、食べ過ぎなければ安全として片づけられているのが現状だ。ところがアメリカでは今、食品としてのカップ麺の成分および容器について問題が大きく紹介されるようになっている。
特に注意が必要なのは女性で、週に2度以上カップ麺を含むインスタント麺を食べるだけでメタボリック症候群になる危険性が有意に増すことがわかったそうだ。またカップ麺の容器から溶け出すほか、ポリカーボネート食器や玩具からも確認されている“ビスフェノールA”は内分泌かく乱作用が強く疑われる化学物質(環境ホルモン)である。「無知ほど怖いものはない」として、科学者たちはカップ麺を多食することの危険性を正しく知ってほしいとしている。
※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)