2026年秋、音楽、ダンス、映像にあふれた新感覚エンタテインメント・パフォーマンスショー『THE ALUCARD SHOW』が帰ってくる。2013年の初演、その翌年の再演で熱狂的な支持を集めた本作。

ミステリアスな世界観とハイレベルなダンスパフォーマンスが評判を呼び、再演も即日完売となった伝説の作品だ。このたび、公開記者会見が行われ、原作・構成・演出の河原雅彦、ブラド役の松下優也、ALUCARDメンバーである、平間壮一、SANTA、滝澤諒、赤名竜乃介、山野光、瀧澤翼、そして、マリア役の彩風咲奈が登壇。冒頭にはパフォーマンスも披露され、早くもALUCARDの世界へと引き込まれた。

【写真】“新生ALUCARD”のお披露目! 熱いパフォーマンスも披露

◆河原雅彦「“世界に持っていけたら”という思いで作った作品」

 会見の幕開けを飾ったのは、オルゴール音と共に登場した、“3代目マリア”彩風咲奈によるナビゲート。会場には報道陣に加え、抽選で当選した、約70名の“狂信的ALUCARDマニア”=“アルカドニア”が集った。

 12年ぶりの復活を待ち続けてきたアルカドニアへ、「当時の狂えるほどの興奮と熱狂を体感していただきましょう」と呼びかけると、キャストによるパフォーマンスがスタート。圧倒的レジェンドメンバーとハイスペックな新メンバーが融合する、“新生ALUCARD”のお披露目となった。

 彩風がステージの反対側に視線を移すと、ブラドの姿が。そして、シルエットで次々に登場するALUCARDメンバーたち。彼らは本当に帰ってきたのだ。一人ひとりの熱いパフォーマンスに胸の鼓動が高鳴っていく。その圧巻のダンスと歌に魅せられる。


 12年前の作品誕生について河原は、「イケメンの子たちで舞台を作ってください」とある漫画原作を渡されたことが始まりだったと振り返る。当時自身が経験のないタイプの作品だったため、断ろうかとも考えたという。しかし、「せっかくの機会だから、僕らしいものを作れたら」と発想を転換。「日本オリジナルのもので世界に持っていけるものを作りたい」という思いから、親交のあったMIKIKOに声をかけて、ダンスを中心に据えた舞台を構想した。

 そして出演が決まっていた松下の資料を見た河原は、「ああ、吸血鬼だ」と直感したそう。「喋らないほうが海外の人にも見やすい」と考え、セリフを極力使わず、ダンスと音楽、ビジュアルで見せる作品へ。河原は当時を振り返りながら、「とにかく世界に持っていけたら」という思いで作った作品だったと語った。

 その言葉を受けた松下は、今回のキャストを見渡しながら「みんなイケメン。めっちゃカッコいい。ALUCARDメンバーはダンススキルが高いのに、みんな役者だというところがミソ。みんなカッコよすぎで負けてられない」と気を引き締めた。さらに、初演から共にALUCARDを作ってきた平間について、「12年ぶりに(一緒に)挑めるというのはめちゃくちゃ心強い存在」と語りかけ、再び同じ作品に立てる喜びをかみしめた。


 平間も「12年ぶりのALUCARD、めちゃくちゃうれしくて」と率直な喜びを吐露。松下が再演に出演すると知った際、「優也がやるなら、もう、絶対的にやります」と決めたという。即座に「イエーーース!」と叫ぶ松下。そんな二人に会場から大きな歓声と拍手が贈られた。

◆松下&平間、初演は「部活みたいな、青春みたいな感じだった」

 一方、今回初参加となるSANTAは「すごい楽しかったです」と弾む声で稽古場の様子を紹介。「常にすごく温かい空気」で、先輩たちからも優しく教えてもらいながら、「楽しくて、みんなで一緒に頑張って作っている作品」だと実感しているという。

 滝澤は、現在は振付稽古が中心で「1日6、7時間くらい」踊っていると明かし、そのスピード感に驚きを見せる。特にSHINGO OKAMOTOの振付について、「手の角度」だけでなく「表情」まで細かくディスカッションしながら作っていることに驚いたそうで、「今までないくらい細かいところで作品作りをやっている」と、完成への期待を膨らませた。

 赤名は、歌いながら踊るこれまでの経験とは違い、「踊りだけで表現する」ことに新鮮な楽しさを感じている一方、「プレッシャーもちゃんと感じられていて」と緊張も告白。この日のパフォーマンス直後も緊張が続いていたというが、観客から声が上がったことで「もうちょっとリラックスしていいんだ」と安心した様子。松下は「やったぞ、みんな!」と、アルカドニアへ呼びかけた。

 山野も、実際にパフォーマンスを行うなかで「これがALUCARDか」という空気を感じたといい、「本番の時の景色だったり、そこに行く気持ちのヒントを得た」と、製作発表そのものを貴重な経験として受け止めていた。


 瀧澤は、稽古について「1秒1秒集中しないと置いていかれるくらい、過密で大変」と振り返りつつ、「謎の安心感がある」と語気を強めた。その理由は「ブラドの背中がデカい!!!」と松下への信頼感を挙げると、会場中から大喝采が巻き起こった。

 そして彩風は、稽古を重ねるほど「本当に怖い作品」と感じているそう。「気づいたらのめり込んで、取り憑かれてる」。家に帰ってからもALUCARDの曲が頭の中に流れ、自分の役ではない曲まで口ずさんでしまうほどで、「これがALUCARDなんだ」と体感しているようだ。個人としては彼らをカッコいいなと見入ってしまうが、マリアとしては嫉妬の心も湧いていて、「その後のマリアの作品の中での生き方に繋がっていけば」と分析した。

 会見では、観客を作品世界へ巻き込む仕掛けについても河原が説明。初演時から「非常に中毒性の高いものを作ろう」と考えていたといい、今回は12年ぶりの復活を待っていたアルカドニアに向け、開幕前からグッズを展開するという試みも。作品と観客がともに世界を作り上げることへの期待を込め、グッズのさまざまな身につけ方もキャストたちが体現。「初日から身に着けて観に来てくださったら嬉しい」と呼びかけた。

 続いて、松下と平間へ「初演の思い出」についての質問が寄せられ、ふたりは、何よりもダンスの練習に明け暮れた日々を思い出し当時を振り返った。稽古だけでなく、キャスト同士で過ごす時間も多く、「部活みたいな、青春みたいな感じだった」と語り合った。
松下のライブを渋谷まで見に行ったこと、プライベートで一緒に過ごしたこと、公園でバスケットボールをしたこと、「本当に青春だった」と表現した。

 さらに河原は、作品が描く「大衆心理」や、劇場でしか味わえないライブの価値にも言及。「12年前と変わらない、尚更際立っている、その価値は改めて貴重なもの」と話し、「そこに甘えていると、その文化すらも危ういのかもしれない。僕らはクオリティの高い芝居でエンターテイメントを提供しなければ」と、12年前から変わらない創作への思いを語った。

 最後には、アルカドニアから寄せられた熱いコメントも紹介され、さらに寄せられた質問にキャストが直接答えるスペシャルな機会も設けられた。「ALUCARDのメンバーの中で一番秘密が多そうな人は?」という質問には、楽しい探り合いが繰り広げられたり。本番に向けて、結束が益々深まっていくのだろう。

 当時の熱狂を知る者も、新たに加わる者も、新生ALUCARDが巻きこす熱狂の渦へ。12年の時を越えた『THE ALUCARD SHOW』の再始動に、期待が高まる。(取材・文・写真:岩村美佳)

 『THE ALUCARD SHOW』は、10月6日~22日東京・日本青年館ホール、10月29日~11月1日大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。

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