高市政権の今後を占う「天王山」に位置づけられている沖縄県知事選(9月13日投開票)が27日告示された。


 選挙の構図は3選を目指す現職の玉城デニー知事(66)と、古謝玄太・前那覇市副市長(42=自民、維新、国民民主、参政、保守、公明県本部推薦)による事実上の一騎打ちだ。

玉城氏は本島北部の本部町で第一声。「平和を守り、明るい未来を実現する」と訴えた。那覇市内でスタートした古謝氏は「停滞の県政、沖縄を前に進める」と声を張り上げた。


 選挙本番直前にひと悶着あったのが、古謝氏の陣営だ。かつて自民や維新に所属し、保守票を食うとみられていた下地幹郎元衆院議員(65)が、土壇場で不出馬を表明。25日に自民の西村康稔選対委員長と面会し、子供の貧困対策など4つの政策協定を結んだことを理由に、出馬を取りやめた。交渉は自民党本部から持ち掛けられたという。


 これで、保守票の分散が解消され、古謝陣営は万々歳かと思いきや、そうはいかない。


 今回の動きを知らされていなかった自民県連は「寝耳に水」状態でカンカン。国場幸之助衆院議員(沖縄1区)は西村氏に「地元を頭越しにする決定は認められない」と抗議したほど。党本部主導への反発で暗雲が立ち込めている。


「ギリギリのタイミングでの不出馬ですから『カネで握ったのでは』などと臆測を呼んでいる。

あることないことを言われて、古謝氏にはマイナスですから、県連が怒るのも当然です。下地氏は古謝氏の支援を明言しましたが、応援がプラスに働くかは微妙です」(県政関係者)



玉城氏の支援勢力「オール沖縄」が一枚岩になれていない

 策に溺れた感がある自民だが、どうも“怪情報”を流したフシもある。


「今月中旬に『自民党調査』と銘打たれた真偽不明の文書が永田町に流出。7月上旬時点で古謝さんは玉城さんに9ポイント差をつけられていたが、8月中旬に4ポイント差まで追い上げた、との趣旨が書かれていた。ただ、知名度抜群の現職知事にそう簡単に追いつけるわけはない。党はあえて善戦しているデータを流すことで、陣営を鼓舞する意図があったのではないか。まあ、このデータを信じている人はほとんどいませんがね」(地元関係者)


 一方の玉城陣営も“爆弾”を抱えている。国政野党を軸とする支援勢力「オール沖縄」が一枚岩になれていない。


 ポイントは10月25日投開票の那覇市長選だ。


「オール沖縄系の元市長の引退に伴い実施された4年前の選挙では、自公推薦の知念覚氏に対し、国政野党は対立候補を擁立。知念氏に敗れたものの、キチンとした選挙戦を展開できていた。ところが、今回は立憲など野党が2選を目指す知念氏に対立候補を立てられず、自公と共に相乗り推薦を決めた。

めぼしいタマが不足し、擁立するほどのエネルギーもないわけです。これまで市長選では自民に対抗馬を立て、知事選と合わせた『セット戦術』を取ってきたのに、それが崩壊。玉城陣営は足並みの乱れが目立ちます」(県政関係者)


 優位とみられていた玉城氏にも黄信号。“泥仕合”の混迷レースはどちらに転ぶか分からない。


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