※本稿は、たてばやし淳『AIライフハック』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■AIの「逆質問」で、ラクラク目標設定
・「今年こそは」と目標を立てても、いつの間にか忘れてしまう
・「英語を頑張る」「痩せる」など目標が漠然としていて、具体的な行動に移せない
・計画を立てるのが苦手で、いつも三日坊主で終わってしまう
目標達成の確度を高めるには、計画を「SMARTの法則(具体的、測定可能、達成可能、関連性が高い、期限付き)」という5つの条件に当てはめるのが有効と言われています(Specific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-boundの頭文字を取ったもの)。
ですが、この要素を完璧に揃えた目標を自分だけで設定するのは難しいものです。
そこで、AIに「逆質問」をしてもらいましょう。聞かれたことに答えるだけで、曖昧な願望が自然と「実行可能なSMARTな計画」へと整っていきます。
● ダイエットの目標設定
「痩せたい」と伝えてAIに質問してもらうことで、「2カ月後までに-3kg」「週2回、仕事帰りに20分ウォーキング」といった具体的で無理のない行動計画に落とし込んでくれます。
● 資格試験の学習計画
「次の試験で合格したい」と伝えると、AIが現状のレベルや確保できる勉強時間を聞き出してくれ、「毎日通勤電車で単語を20個覚える」「週末に過去問を1回分解く」といった現実的なルーティンを提案してもらえます。
● 貯金と節約
「旅行のために貯金したい」という曖昧な願望を、AIが対話を通じて「半年後の旅行資金10万円を貯めるために、コンビニ利用を週2回に減らし、固定費を月5000円見直す」という明確なアクションに変えてくれます。
■対話の最後に実行可能な計画表が自動で完成
<AIへの指示ステップ>
● ステップ1
まず、目標と「SMART逆質問プロンプト」をAIに送りましょう。
目標は「英語を話せるようになりたい」「夏までに痩せたい」など、思いついたままの曖昧な言葉で構いません。
それと一緒に、以下のプロンプトをAIに送ります。
【プロンプト例】
SMART逆質問プロンプト
あなたは目標設定の専門家です。
私の目標を達成可能な形に落とし込むために、SMARTの法則に沿って逆質問をしてください。
一度に1つずつ質問し、私が答えたら次の質問に進んでください。
最後に完成した目標と行動計画をまとめてください。
まず私の目標は「英語を上達させたい」です。質問を始めてください。
このプロンプトのポイントは3つです。まず①「SMARTの法則に沿って」と明示することで、AIが具体性・測定可能性・達成可能性・関連性・期限の5つの観点を漏れなくカバーしてくれます。
次に②「一度に1つずつ質問し」と指定することで、一気に大量の質問が来て圧倒されるのを防いでいます。
そして③「最後に~まとめてください」と頼むことで、対話の最後に実行可能な計画表が自動で完成します。
● ステップ2
次に、AIからの質問に、会話するように答えていきましょう。
プロンプトを送ると、AIがSMARTの法則に沿って「いつまでに達成したいですか?」「週にどれくらい時間を取れますか?」「達成できたかどうか、何で判断しますか?」といった質問を1つずつ投げかけてきます。
こちらは構えず、リラックスして思いつくままに答えていけばOKです。期限、頻度、達成基準――自分ひとりでは曖昧なままにしがちなポイントを、AIが対話の中で自然と引き出してくれます。
● ステップ3
最後は「計画表にまとめて」などとAIに頼むのもおすすめです。
方法は、対話が一通り終わったあと、「これまでの内容をもとに、明日から実行できるアクションプランにまとめて」と指示するだけです。
それだけでAIが対話の内容を整理し、あなたの生活スタイルにフィットした、挫折しにくいオーダーメイドの計画表を完成させてくれます。
最初は「英語を上達させたい」というぼんやりした願望だったものが、AIと5分対話するだけで「いつ・どこで・何を・どれくらい・いつまでに」などがすべて具体的に決まった実行計画に変わります。
自分で考えたのではなく、聞かれたことに答えただけで目標設定できる点が、革新的なポイントです。
■目標設定に使える「学習用モード」
実は、ChatGPTやGeminiには「学習用モード」が存在します。
これは、AIが答えを直接教えるのではなく、ユーザーに逆質問することで考えを引き出す対話スタイルのことです。
ChatGPTの場合、チャット画面の「+」→「あらゆる学びをサポート」をクリックで、Geminiの場合、チャット画面の「ツール」→「ガイド付き学習」をクリックで切り替えができます。
先ほどの「SMART逆質問プロンプト」を入力しなくても、このボタン1つでAIがコーチ役になり、「本当にやりたいことは何ですか?」「それはなぜ大切ですか?」などと深掘りしてくれます。
目標設定の壁打ち相手として非常に手軽なので、ぜひ試してみてください。
■さらに深掘りする「スパルタコーチモード」
SMART化で「何をやるか」が明確になったら、もう一歩踏み込んで「なぜやるのか」を掘り下げてみましょう。
計画だけ立てても、動機が曖昧だと壁にぶつかった瞬間に折れてしまいます。
そこで、AIに「スパルタコーチ」役を任せ、①その目標が自分の人生にとってなぜ重要か(価値観の明確化)、②理想と現状のギャップや過去の挫折パターン(現状把握)、③それでもやる理由(動機の再確認)――この3段階で容赦なく深掘りしてもらいます。
聞かれるままに答えていくだけで、目標の「根っこ」にある本音が言語化され、覚悟が固まります。
【プロンプト例】
あなたはスパルタ式のライフコーチです。私の目標は「○○」です。
以下の3段階で私に質問してください。
①まず、この目標が私の人生にとってなぜ重要かを深掘りする質問(価値観の明確化)。
②次に、現状とのギャップや過去の挫折パターンを直視させる質問(現状把握)。
③最後に、それでもやる理由を言語化させる質問(動機の再確認)。
各段階で2~3問ずつ、私の回答を待ってから次に進んでください。
このプロンプトは本格的なコーチングセッションに近いため、時間に余裕があるときにじっくり取り組むのがおすすめです。
SMART化で「計画の骨格」を作り、スパルタコーチモードで「やり抜く理由」を固める。この2段構えで、挫折しにくいオーダーメイドの目標が完成します。
このように、AIを活用すれば、なんとなく放置していた目標もすぐに実行できる具体的な「行動計画」に落とし込むことができます。
ぜひ「いつかやろう」を「今からやろう」に変えるAIテクニックを試してみてください。
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たてばやし 淳(たてばやし・じゅん)
オンライン講師/エクセル兄さん
1986年生まれ、横浜育ち。オンライン動画でITスキルを教える人気講師。「多くの人に、仕事を自動化してラクにする方法を伝えたい」という想いから、Excelやマクロ、AI関連の書籍を執筆するなど発信活動を行う。YouTube総再生回数1300万回、チャンネル登録者数11万人超。また、オンライン動画教育プラットフォーム「Udemy」では22万人以上の受講者へ動画コースを展開している。著書に『Excel×ChatGPTでビジネスが加速する! AI仕事術』(エクセル兄さん出版)、『学習と業務が加速する ChatGPTと学ぶExcel VBA&マクロ』(ソシム)、『Excel×Copilot AI仕事術』(日経BP)、『エクセル兄さんが教える世界一わかりやすいMOS教室』(PHP研究所)などがある。
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(オンライン講師/エクセル兄さん たてばやし 淳)

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