中国・広東省の路上で倒れた高齢者を助けた配達員が加害者として訴えられた裁判で、裁判所は原告の訴えを全面的に棄却した。中国メディアの九派新聞が17日に伝えた。
記事によると、2025年6月17日午後1時ごろ、広東省江門市の配達員、李(リー)さんは電動三輪車を運転して農村部へ荷物を配達する途中、道を歩いている高齢者を見かけた。電動三輪車が高齢者の後方を通過した後、李さんはその高齢者が道の脇で倒れたことに気付いた。
李さんはすぐに停車して駆け寄り、状況を確認した。高齢者はその場で「病院に行く必要はない」と話したが、李さんは高齢者の鼻に血が付いていたことからけがをしていると判断。救急車を呼び、到着するまでそばで見守り続けた。
救急隊員と高齢者の家族が到着すると、李さんは高齢者を救急車に乗せるのを手伝い、そのまま同乗して病院へ向かった。高齢者の家族が入院手続きをしている間も、李さんはそばに残って高齢者の面倒を見た。その後も数日間にわたり、高齢者の状況を気にかけたという。
しかし数カ月後、高齢者の家族は李さんが事故の加害者であるとして計92万元(約2150万円)余りの損害賠償の支払いを求めて裁判所に提訴した。李さんが働く配送拠点の責任者、黄(ホアン)さんは「人助けをしたのにこんなことになり、やるせないが、会社としての姿勢は明確だ」とし、同社の法務部が全面的に李さんを支援することとなった。
その後に開かれた裁判の一審で、原告の請求は棄却された。そして、今年9月に広東省江門市中級人民法院で行われた二審の判決でも一審判決が支持され、原告の控訴は棄却された。
二審の判決文では、「交通警察による調査では、李さんが運転していた電動三輪車に明らかな接触・衝突痕は確認されず、倒れていた高齢者との接触を断定できない」「事故後、高齢者の家族が『宅配便の電動三輪車にぶつけられたのか』と何度も尋ねたが、本人はいずれも否定していた」「高齢者の家族が提出した病院の診療記録で高齢者の腰部や仙尾部の軟部組織の擦過傷・打撲傷などがあったことは確認できるものの、それが李さんの電動三輪車との接触によって生じたと証明するには不十分」などとした。
判決を聞き、李さんはようやく肩の荷が下りたような安堵感を得ているという。黄さんによると、二審判決が出るまで、同僚たちの間では「このようなケースで果たして(倒れた人を)助けるべきなのか」について話し合ったこともあったというが、「判決を受け、他人が助けを必要としている時には、やはり手を差し伸べるべきだとの考えを強くした」とのこと。一方で、「助ける際に写真や動画を撮ったりして証拠を残しておけば、自分自身を守ることができる」とも述べた。(翻訳・編集/北田)











