“日本人の姓で最も多いのはどれだと思いますか?”

 中国の主要都市(北京・上海・広州)で今年4月に行われたこのアンケート調査。結果は、「山本」が2年連続でダントツトップだった。
その次が「田中」で、これも昨年と同様。不動のナンバー2である。

 実際に日本で一番多いとされる姓は「佐藤」、次いで「鈴木」であり、今回のランキングでも4位・5位という高いポジションにある。では、それらを押しのける形で、どうして「山本」や「田中」が日本を代表する姓として広く認知されるようになったのか? その理由のひとつとして、中国メディアにおける“露出度の高さ”を挙げることができる。

 これまで日本人のイメージを強く印象づけてきた中国の主な媒体は、映画やTVドラマだった。中でも「抗日戦争モノ」はひとつのジャンルとして確立されるほど人気が高く、現在でもくりかえし制作・放送されている。
これらの映画やドラマには、「山本」という姓を持つ日本人がたびたび登場しており、その影響は極めて大きいといえるだろう。

 日中国交正常化を図った「田中」角栄は、今でもメディアで頻繁に取り上げられる日本人のひとりであるし、3位の「山口」は、80年代中国で大ブームを巻き起こした山口百恵と関係がありそうだ。前回のアンケート調査で13位だった「福田」が、今回6位に急浮上しているのも、昨年9月に総辞職した福田康夫元首相の影響であろう。余談ではあるが、ドラえもんの主人公・野比のび太の中国語名は“野比康夫”。 そのことからも、福田元首相に対する中国人の好感度は高いらしい。

 インターネットの普及により、日本に関する様々な情報が中国でも取得できる時代となり、日本人のイメージは氾濫する情報の中で絶えず変化しているといえる。
今後、あらゆる分野で日中両国の人的交流が促進されていけば、このランキングもじょじょに様変わりしていくのかもしれない。(グラフは本調査結果を基に作成)。(編集担当:井上洋一郎)

【調査概要】
1.調査企画:サーチナ
2.調査方法:上海サーチナ「新秦調査」上のインターネット・アンケート画面での回答
3.調査対象:上海、北京、広州。各都市20代、30代、40代、男女で均等割付け
4.調査期間:2009年4月1日から2009年4月10日
5.回答者数:300人

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