全104試合が行われた北中米W杯は、スペインの4大会ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。

 アルゼンチン代表FWメッシ(8得点)やフランス代表FWエムバペ(10得点)、ノルウェー代表FWハーランド(7得点)ら圧倒的な「個」の力が際立つ大会になった一方で、頂点に立ったのは組織力で他を寄せ付けない強さを見せたスペインだった。

 アルゼンチンとの決勝(1〇0)でも、チーム最多5得点のFWオヤルサバルを後半17分にあっさりと下げ、特徴の異なるFWトレスを投入。そのトレスが延長後半に劇的な決勝ゴールを挙げ、8試合でわずか1失点と堅守も光った。

 日本が決勝トーナメント1回戦でブラジルに敗れた(1●2)際には、圧倒的な「個」を持つ必要性が議論されたが、優勝したのは「個」を封じるだけの「組織」を誇るスペインだった。では、スペインは日本のロールモデルとなり得るのか。「個」の力を磨き、増大させることを大前提とした上で「ボールを渡さない」ことで相手の「個」を封じる方向に転じることは果たして正解なのか。

 この日、都内で行われたイベントに出演した日本代表MF中村敬斗は、決勝の映像をチェックできていないことを前置きした上で「しっかりとつないで、どんな身体能力の高い国、チームでも倒していくというのは、1つ僕らの目指すべき場所ではあるのかなと思う」と言及した。

 一方で「言うは易し、行うは難し」なのがスペイン代表のサッカーでもある。現在の主力は多くが育成年代からデラフエンテ監督率いるチームでプレーし、またポゼッションサッカーの“総本山”バルセロナ在籍の選手も多い。トレーニング機会が限られる代表活動での“スペイン式”導入はハードルが高い側面もある。

 日本サッカーの文化、森保一監督が8年間で築き上げてきた土台に、今回のW杯で得た教訓と学び、そして現代サッカーのトレンドをどう結びつけ、進化させていくのかが重要となる。

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