◆第108回全国高校野球選手権静岡大会 4回戦 藤枝明誠5-1掛川西(21日・愛鷹)

 24年夏甲子園出場校の掛川西は、4回戦でノーシードの藤枝明誠に1―5で敗れた。「松坂撃ち」の父を持つ榑松珀士(はくと)外野手(3年)は出場機会がなく、高校最後の公式戦を終えた。

「まだ敗戦したことを受け止めきれない」と唇をかんだ。

 父・直記さんは東海大相模で上位打線を担った強打者。1997年夏の神奈川大会準々決勝では、1学年下で横浜のエースだった松坂大輔さんから左越え2ランを放った。松坂さんが高校時代に本塁打を浴びた打者は2人だけで、直記さんは最後の一人として知られる。

 さらに伯父は巨人の榑松伸介スカウトディレクター、いとこの榑松正悟内野手(法政二3年)も左の好打者として活躍する野球一家。正悟とは正月に顔を合わせるほか、普段からLINEで連絡を取り合う仲で、東海大会や関東大会に出場した際には互いの結果を報告し合い、刺激を受けてきた。

 自身は、高校通算28本塁打の記録を持つ父のような長距離砲ではないものの、勝負どころで一本を放つ中距離打者。入学当初から器用さを評価され、捕手以外ならどこでも守れるユーティリティープレーヤーとして成長した。昨秋は右翼、今春は二塁を任され、大石卓哉監督も「彼はチームにいなくてはいけない存在」とプレーだけでなく日頃の姿勢も高く評価していた。

 今大会は背番号19をつかんだ一方で、スタメン出場はかなわなかった。それでも、3回戦・清水東戦では7回1死三塁で代打として打席に立った。「初めての夏の大会でした。

あまり緊張はしなかったけど、やるべきことをやろうと思って打席に入りました」と振り返る。二ゴロに倒れたものの、その間に三塁走者が生還し、貴重な打点を挙げた。

 最後の試合には父もスタンドで見守った。「大学で野球をやるにせよ、やらないにせよ、これからの人生に生かしていきなさい」。その言葉を受け止めた。夏前までは競技を続けるか迷いもあったが、「この夏で悔しさが残りました。大学で絶対に野球をやりたい」と、新たなスタートへ力強く決意を口にした。

編集部おすすめ