◆第108回全国高校野球和歌山大会▽準々決勝 智弁和歌山2―0市和歌山(22日・紀三井寺公園野球場)

 プロ注目の市和歌山・丹羽涼介投手(3年)が智弁和歌山戦で9回を6安打2失点で完投。敗れはしたが鮮烈な輝きを放った。

 強打の智弁和歌山打線に真っ向勝負で自己最速にあと1キロに迫る150キロをマーク。4回2死まで無安打投球。スライダーや“カットボールを交え、7回まで散発3安打に封じゼロを並べた。

 8回に死球と暴投で無死三塁のピンチで荒井優聖一塁手(3年)に右犠飛を許し失点。疲れからか9回に3連打され1点を失うも、147キロの直球を連発し126球を投げきった。

 「(練習を)サボったりして3年間、(チームメートにも)迷惑をかけてきた。甲子園に連れて行って恩返ししたかった」と丹羽。それでも涙はなし。泣きじゃくるナインの肩を抱き、なだめて回った。「この試合に合わせてやってきた。いつも以上に(球も)走っていて。1番に近い内容。

出し切りました」。

 春の県大会の初戦で智弁和歌山と対戦、6回5失点で敗れた。それからフォームを崩し、不調が続いたが、初戦の田辺工戦(16日)は最速146キロで1失点完投。ライバルへのリベンジは果たせなかったが、照準を絞って調整してきた中5日の登板で“すごみ”を増した。

 ネット裏ではNPB4球団のスカウトが視察。巨人・岸スカウトは「今年見た中で一番良かった。(前回登板とは)人が違った感じです。腕もしっかり振れているし、ベース板でも力強い球が来ていた。大一番で自分の力を出せるのも“持っている”と思います」と絶賛した。

 気になる進路については、「悩んでいます。しっかり考えたい」と丹羽。美容師の道に進むか野球を続けるか。

「(プロ野球は)誰でも行ける場所ではないので…。(美容師かプロかの比重は)“プロ寄り”です」。高校野球で完全燃焼し、次は進路を決断する。

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