◆第108回全国高校野球選手権群馬大会▽準々決勝 前橋育英4―3桐生=10回タイブレーク=(22日・上毛新聞敷島)

 5年ぶりに夏の甲子園出場を目指す前橋育英が、桐生を延長10回タイブレークの末に4―3で下して、準決勝進出を決めた。

 粘り強く投げ勝った。

前橋育英のエース・塚越晟那(せな)投手(3年)が10回153球3失点の粘投。序盤は直球や変化球を効果的に使って桐生打線に的を絞らせなかったが、1―0の9回2死二、三塁から左前適時打で同点に追いつかれた。

 10回には2死満塁から連打で2失点を喫したが、その裏の攻撃で菊池条太郎内野手(3年)が同点の2点適時二塁打。さらには1死満塁から狩野隼大内野手(3年)の右犠飛でサヨナラ勝ちを収めた。終盤までロースコアで進んだ試合に、塚越は「投げ切れたことが良かったです」と安堵の笑みを浮かべた。

 この日は家族が応援に駆けつけ、塚越の投球をスタンドから見守った。試合前、父・大希さん(44)は「楽しんで投げておいで」とエールを送り、息子は見事延長10回を完投。ただ、気迫ある投球とは裏腹に「反抗期もあって、(家では)ご飯を食べたらすぐに上へ上がってしまう」と父は苦笑いで息子の“素顔”を語った。

 一方で塚越は、「朝早くから送り迎えをしてくれる。お弁当も作ってくれるので、『勝つ』しか恩返しができないです」と家族への感謝の思いを口にした。

 準決勝では昨年の決勝で敗れた健大高崎と相まみえる。聖地への道を阻まれた相手に、塚越は「打たせて取って、守備からリズムを作って攻撃につなげていきたいです」と力強く語った。

荒井直樹監督から「あの子で負けたら仕方ない」と絶大な信頼を受けるエースが、感謝を胸に甲子園への道を歩む。

編集部おすすめ