◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 「ファン、サポーターの皆さん。スポンサーの皆さん、国民の皆さん。

いつも応援していただきありがとうございます」。サッカー日本代表の森保一監督は、記者会見の冒頭で必ず感謝の言葉を口にする。そして「メディアの皆さんも、いつも取り上げていただきありがとうございます」と続ける。これまで特に気にしていなかったが、北中米W杯を取材し、その言葉の大切さに気がついた。

 日本が入ったF組は厳しい顔ぶれだった。しかし、初戦の入りが大事なオランダ戦では、日本のサポーターがダラススタジアムを埋めた。先行されても声援で選手を後押しし、やり返す展開で勝ち点1につなげた。チュニジア戦、スウェーデン戦でも国立競技場のようなホーム感を演出した。

 一転、決勝トーナメント初戦のブラジル戦はアウェーの雰囲気に押された。日本サポーターが半分以上減って声援のアシストがなく、防戦一方で逆転負け。もっと応援があったらと、ピッチ際で撮影しながら感じた。森保監督も「もっと日本人の方々に『現地に来てください』と言えばよかった。

強いチームはサポーターの力で試合がその色になる」と後悔を隠さなかった。

 南米のような国を挙げた応援は日本にはまだない。「最高の景色」を目標に強豪国と対等に戦えるチームになったが、野球と違ってサッカーは4年に1度、爆発的に盛り上がるだけ。国民の関心がもっと必要だ。だから監督は常に応援し続けてくれる人への感謝を忘れず口にしていた。新たな景色を見るために、メディアももっと関心を持たせる伝え方が必要だ。そう思わせる大会になった。(写真担当・山崎 賢人)

 ◆山崎 賢人(やまざき・けんと) サッカー誌を経て20年入社。

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