優勝で2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得するバレーボール女子のアジア選手権は21日、中国・天津で開幕する。世界ランク6位の日本は同日、115位の香港との初戦に臨む。

6~7月のネーションズリーグ(NL)で日本人1位の237得点を挙げた“点取り屋”和田由紀子(24)=イタリア1部ブストアルシツィオ=がこのほどスポーツ報知の単独取材に応じ、五輪切符獲得への覚悟や、「世界一のオポジット(攻撃に特化した選手)になる」と今後の夢を語った。(取材・構成=宮下京香)

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 普段はクールな和田が、大一番への熱い思いを口にした。「五輪の切符を取るということは、今シーズンの一番大事な目標。試合で迷わずにプレーするために、妥協せず準備を意識してきた。自信を持って思い切りプレーしたい」。狙うのはアジアの頂点のみ。覚悟を持って、2019年以来の優勝での五輪切符獲得を奪いに行く。

 身長175センチとアタッカーでは小柄だが、強烈なジャンプサーブで一気に流れを引き寄せ、振りの速いスパイクで得点を量産する。NLでの237得点は日本人トップ。「まだまだ、全然」と満足はしていないが、日本代表では石川真佑主将(26)、佐藤淑乃(24)と並ぶ“三本柱”として欠かせない存在となった。

 天性の剛腕と言っていい。相手の守備が整う前に、腕の振りの速いスパイクでボールをコートにたたきつける。

幼少期から10歳まで水泳に励んだことも影響して「もともと肩が強かった。スイングの速さは肩の強さを生かした強み」。高校時代にハンドボール投げで40メートルを記録して校内の女子で1位。強肩を自負してきたからこそ、バレーでも武器を磨き続けてきた。

 「ムチのようにしならせる」イメージで腕を振り抜いているという。中学時代にはスパイク練習前の約15分、野球の投手の映像を見て腕の振りを参考にしながらタオルでシャドーピッチングを繰り返した。「打ち方はそこから来ているのかな」。腕の強さを生かすための様々な取り組みを経て、動きに無駄のない鋭いスイングを作り上げた。

 23年に初の日本代表入り。24年パリ五輪は控えながら、ゲームチェンジャーとしてコートに立った。世界と戦う中で「世界一のオポジット(OP)になりたい」と夢ができた。セッターの対角で攻撃的なポジションのOPは「スーパーエース」とも呼ばれる。

代表では攻守の軸アウトサイドヒッター(OH)登録だが、基本はOPの役を担う。

 トルコのバルガス(194センチ)やイタリアのエゴヌ(193センチ)ら、自身より約20センチも高い大型選手がひしめく世界のOP。「世界のパワーを見て、OPだけで世界一になるのは無理かも…」と一時は心が折れかけたが、「身長は小さいけどチャレンジしないと、この先の成長もない。守備を強みにしつつ、自分なりのOPの形で、世界一になれると思ってやりたい」。五輪メダルと2つの夢をかなえるため、来季からは世界最高峰イタリアリーグに身を投じる。

 アジア選手権1次リーグは香港、韓国、ベトナムと同組で、まずは8強を目指す。決勝トーナメントでは世界ランク7位の開催国・中国や17位のタイら難敵との対戦が予想される。「大事な場面での精度。チームに流れを持ってこられるように」。和田の速く、強く、しなやかな腕が、日本を五輪の舞台に導く。

 ◆和田 由紀子(わだ・ゆきこ)2002年1月8日、京都市出身の24歳。小学4年で始め、強豪の京都橘高に進学。

3年時には18歳以下の日本代表で主将を務め、U―18の世界選手権5位。20年にVリーグ・JT(現SVリーグ・大阪M)入り。24年にNEC川崎に移り、来季はイタリア1部ブストアルシツィオに初の海外移籍。23年に日本代表初選出。24年パリ五輪代表。趣味は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の鑑賞。身長175センチ。

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