錦織圭が引退を発表してから、全米は4大会目の出場となる。十分な練習と、現役選手との練習試合などで、トップ100で戦えるレベルまで戻してきた。

最後の全米で予選を勝ち上がることができるか。担当の吉松忠弘記者が「占う」。

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 皮肉なものだ。引退を決め、テニスから離れた期間があったことで、錦織の体から、痛みが減った。引退発表後、初戦となったムバダラDCオープンで見た錦織は、100%とは言えないが、戦える状態に戻っていた。そして、1回戦を勝った。

 引退発表後、対戦した選手は5人。その5人の世界ランキングは、270位、24位、113位、109位、91位だ。270位と109位に勝ち、91位には最終セット3―1から逆転された。現状で、トップ100前後のレベルであり、錦織も「ちゃんと練習すれば、戻ってこられるんだ」と実感している。

 ただ、4大大会の予選3試合を勝ち抜くのは、本戦で1回勝つのより難しいと言われる。復活を期すベテラン、ステップアップしたい若手が入り乱れ、勝ち上がるのは簡単ではない。

3セット試合とはいえ、連戦も続く。どれだけ体を維持しながら、実戦の勘を取り戻せるかがカギとなる。

 全米と言えば2005年だ。15歳でジュニア部門に初挑戦。予選決勝で敗れたが、敗者復活で本戦入りし3回戦まで勝ち上がった。3回戦で敗れた後、話を聞くために追い回し、顔を引きつらせてコーチとともに逃げ回った錦織を思い出す。

 それから21年。36歳になった錦織が、最後の4大大会に挑戦する。もちろん、勝ち上がることが望ましい。しかし、せっかく減った痛みが、ぶり返さないか、それだけが心配だ。

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