大相撲の夏巡業が25日、千葉・流山市で行われ、横綱・大の里(26)=二所ノ関=が朝稽古で今巡業最多の12番と精力的に調整した。幕内・豪ノ山(28)=武隈=、平戸海(26)=境川=を指名し、8勝4敗だった。

先場所は9勝6敗と苦戦したが、秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)は2年連続制覇中。得意の秋に1年ぶりの優勝を目指す。

 大の里が着々と状態を上げてきた。先場所4日目に金星を配給した豪ノ山を指名。最初の一番は引かれて前に落ちたが、寄り切って2連勝するなど4勝2敗とした。次に指名したのは平戸海。引いて土俵を割る場面もあったが、相手の当たりを受け止め、右を差して一気に前に出るなど力強さも見せて4勝2敗。ともに立ち合いの鋭さがある相手と汗を流し、「いい稽古ができた」とうなずいた。

 今巡業は右膝を手術した横綱・豊昇龍が休場し、初日から一人横綱として引っ張っている。左肩の治療のため11日からの5日間は一時離脱したものの、再合流後の20日から相撲を取る稽古を開始。この日は昨年九州場所で左肩を負傷して以降、威力を欠いていた得意の左おっつけで前に出る場面もあった。土俵下で見守った高田川巡業部長(元関脇・安芸乃島)は「勝ち負けではなく、自分の感覚を確かめながら取っている感じがする」と評し、左肩についても「影響はないでしょう」と太鼓判を押した。

 2場所連続休場から復帰した7月の名古屋場所は苦しんだ。12日目に6敗目を喫し、横綱では15日制が定着した1949年以降で史上3人目の皆勤負け越しの可能性もあった。だが休場は一切考えず、全てを経験と捉えた。そこから3連勝と巻き返して9勝6敗。試練を乗り越え、3場所ぶりに千秋楽まで務め上げた。

 完全復活を目指す秋場所は24年の新入幕後、2年連続で賜杯を抱いている験のいい場所だ。調整面でも幕内力士と相撲を取ったのが初日の6日前の出稽古の一度のみだった先場所前と比べ、早い段階から関取衆と稽古を重ねることができている。28日間の夏巡業も残り5日。大の里は「また明日以降しっかり稽古して、初日に間に合うように頑張ります」と言葉に力を込めた。夏の鍛錬を実りの秋につなげる。(林 直史)

 ◆大の里と秋場所(入幕後) 24年初場所で新入幕。同年秋場所は関脇で大関取りに挑み、14日目に2度目の優勝を決めて13勝2敗。

場所後に昭和以降で最速となる初土俵から所要9場所での大関昇進を果たした。25年秋場所は13勝2敗で並んだ豊昇龍と、横綱同士による優勝決定戦に。千秋楽の本割で敗れた相手に雪辱を果たして、横綱として初めての優勝を果たした。

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