
思えば私が初めてアレに出会ったのは、5〜6年前のことでした(こっから、懐古調で)。
看板には「待たずに乗れる!」「頂上まで5分」とあります。お互い言葉にこそしませんでしたが、たぶんロープウェイのようなもので上まで行くのだろうと思っていたのです。おばちゃんにチケットを見せて、まずは最初のエスカレーターへ。細く長く、壁にやたら広告があることをのぞけば、なんてことはないエスカレーター。そこではまだ素直に「エスカーは、まだかなあ」と思っていたのですが、その後すぐ、異変に気づくことに。一度外に出され、途方にくれたところでこんな看板を目にしたのです。「次の エスカーのりば」。
そう、この長い4本のエスカレーターこそ「エスカー」だったのです。
その後、すっかりエスカーに、というか江ノ島に魅了された私たち。新展望塔ができると聞いて、「これを機に、エスカーもなくなっちゃうかなあ」と寂しく思っていたら、便乗してちゃっかりお色直しまでしていたエスカー。創設から50年近くたつそうですが、この様子ならまだまだ500年ぐらい長生きしそうですね。(矢部智子/アンテナ)