プロ野球チップスは、「駄菓子」か否か
スーパーやコンビニでは、こういうパックになって駄菓子が売られていたりもしますね。
近年、昭和ブームの影響もあってか、大人もターゲットにした駄菓子屋さんが増えたり、駄菓子をウリにした飲み屋ができたり、コンビニでも駄菓子が売られるようになってきた。

だがはたして、どこまでが「駄」な「菓子」なのだろうか。


駄菓子の辞書的な意味としては、「粟・豆・くず米などの安価な材料を用いた大衆的な菓子。一文菓子」(『広辞苑』第四版)とある。
本来は、材料や値段で「上菓子」と分けられていたはずの駄菓子。だが、値段で分けるとすると、最近コンビニで売られてる「1個50円」とかの洒落たクッキーやらチョコレートが「駄菓子」とは、到底思えない。
100円の食玩も「駄菓子」とは思えない。

では、現在の「駄菓子」の定義とは何なのか?
静岡のある駄菓子屋さんに聞いてみると……
「実は、しっかりとはわかってないんですが……ひとつには、10円とか30円とかの『値段的に安いもの』というのがあります。
ただし、モノによって同じ50円でも、ポテトチップスの小袋とか、メジャー感のあるものは『駄菓子』じゃないですよね?」
かつては「駄菓子」というと、冒頭の説明通り、材料などの違いがあったが、
「今はそれよりも『値段や雰囲気』によるところがある気がします。定義が曖昧になってるんじゃないですかね」とのこと。

また、新宿区の生家で駄菓子屋を営んでいる、あるイラストレーターさんによると、
「値段の違いもあるけど、いちばんは流通の違いですね。ワシのところでは、問屋さんに買いに行くけど、問屋さんにはポテトチップスとか、大手メーカーのものは置いてないから」
で、ギリギリ「駄菓子」になるメーカー規模が、ベビースターだという説明だった。
だから、スーパーでベビースターを売るときは、何袋か連結タイプになりがちなのか!?

となると、最も気になってくるのは、いちばん曖昧なライン--「プロ野球チップス」「Jリーグチップス」の、いわゆるカードつきチップスが、駄菓子か否かということ。これらは、先の2名によると「微妙……」。

たしか駄菓子屋で置いている気はするけど……。カルビー株式会社・広報担当者に聞いてみると、
「プロ野球チップスは、当社の認識としては、駄菓子ではなく、通常のお菓子です」
とのこと。
これは、スーパーなどで置いているから?
「売り場の問題もありますが、通常のポテトチップスと扱いを分けていないからというのがいちばんの理由ですね」

定義が曖昧になっている駄菓子。
メーカー側の思惑と、我々消費者の「駄菓子」感にも違いが生じてきているようです。
(田幸和歌子)