以前、韓国アカスリを体験したとき、相当な量のアカが取れて驚いた。今後は定期的にやろうと決意したが、自分でやるのは面倒で滅多にやっていない。


本来アカスリはどれくらいの頻度でやるのがよいのだろうか? 『やさしい治療+こころのケアの「アトピーカウンセリング」―“記入式”アトピーを治すもうひとつの治療法』の著者(共著)で、野村皮膚科医院の野村有子院長に聞いた。

「皮膚科医の立場で言うと、アカスリはおすすめしていません」
一般的にアカスリは古い角質をとりのぞくことで新陳代謝を活発にするといわれる。だが、実際には必要な角質まで取り過ぎてしまい、肌のバリア機能を弱めてしまうというのだ。

もちろん、アカスリをしてもなんのトラブルがない人もいるし、アカスリ後のつるつる肌に感動した人も多いだろう。トラブル発生の有無は、個人の肌質やアカスリのやり方(頻度や擦る強さなど)によるところも大きい。だが今のところ、「具体的にこれくらいまでならOK」といった科学的な数値もなく、実際に肌荒れなどを起こす人もいる以上、皮膚科医としては推奨できないという見解になるのはやむをえないのだろう。


ところでアカスリをやらない場合、体のアカはどうなるのか? もしアカスリで取れるあの大量のアカを体に溜めているとしたら……個人的には少し抵抗がある。
「いいえ。とくにアカスリをしなくても、古い角質は約6週間で、皮膚の新陳代謝によって自然に脱落しますから大丈夫ですよ」
どうやら毎日普通に体を洗っていれば問題ないらしい。

ついでに体を洗うときに注意すべきポイントを聞いた。
「体を洗うものは綿などの柔らかい素材がおすすめです。ナイロンのタオルなどは摩擦によって皮膚が黒ずんでしまうことがあります」
とくに黄色人種は白色人種に比べてメラニンが多く、黒ずみができやすいという。
また夏場は、汗をかいたらそのたびに、すぐシャワーで軽く洗い流したほうが良いが、石けんを使うのは一日一回で十分とのこと。

汗が気になるこの季節。肌に優しいケアをしつつ、清潔な肌を保ちたいものです。
(古屋江美子)