年度末は、道路の舗装工事が多い。あちこちで、道路を掘っては舗装し直す光景を見る。


この前、そんな工事区間を通ったとき、壊してる途中の舗装の断面が見えた。それなりに厚くて、何層にもなっていた断面。そこで、ふと疑問が湧いた。この舗装部分って、どのくらいの厚さなんだろう、と。何か厚さに決まりはあるんだろうか、と。
知る必要のないことだけど、気になっちゃったから国土交通省に聞いてみた。


「厚さは、道によってさまざまです。広い道路の方が厚い、とも限りません。交通量や材料の経済性・耐久性など、さまざまな条件を重ね合わせて、厚さは決められているんです」

前は基本的に、“交通量”もしくは“重い車が何台通るか”という条件だけで厚さが決められていたという。それが数年前からは、交通量だけじゃなく、材料や工法の違いも考慮され、厚さが決められるようになっている。技術が進歩し、材料や工法が多様化したことで、一律に厚さを決められなくなったのが大きな理由だ。

「例えば材料によって、耐久性に違いが生まれているんですね。
そのため、厚さを基準にすると、材料によって充分な強度が得られなかったり、逆に必要以上の強度になってコストがかさんでしまうことなどがあるんです」

そんなことをふまえて、厚さの一例を教えてくれた。
「舗装とは、表面のアスファルトの層(表層・基層)と、その下の砕石などの層(路盤)を合わせたものを指すんですが、それらを合わせると、一般国道では40~60センチくらいの厚さが多いのかなと思います。そのうち、アスファルト部分は10~15センチくらいが多いのかなと。あとは道路によって、例えば交通量が少ないと、砕石の層が薄くなっていたりします。アスファルト部分の厚さは、すり減ったときを考えて、どこも10~15センチくらいで変わりませんが」

ちなみに歩道はさらに薄い?
「そうですね。重い車両が乗ることはあまり考えられていませんので、一般の道路よりかなり薄く作られています。
アスファルトの層が3~4センチ程度、砕石の層が10センチ程度かと思います」

そんな感じで作られてる、日本中の道路。
ただ知る必要がないだけに、人に話して面白がられる知識じゃないから、外を歩いてて究極にヒマなときにでも、ああこの歩道は薄いんだなとか、思い出してもらえたらと。
(イチカワ)