PCの画面上で、クリックした記憶がないのにキーワードなどのリンクが赤くなっているということが、ときどきある。

別にいかがわしい話題などでなくても、身に覚えのないところが赤くなっているのは、気になるものだが、これって何なのか。

ITコンサルタントに聞いてみた。

「クリックした記憶がないのにキーワードなどのリンクが赤くなっているのは、留守中に家族か近所の子どもがアクセスしたのかもしれませんので、最近アクセスした履歴であればブラウザーの履歴機能で見つけることができます」

我が家の場合、夫は自分用のPCを使用しているし、小4の娘にPCを貸すと、「マーブルチョコレート」「チキンラーメン」といった調べ物をしている程度。近所の子が勝手に入って使用することもなく、全く心当たりがない!
「それでも心当たりがないのであれば、『ボット』の感染を疑ってみてください」

PCに詳しい人なら知っていることだろうが、「ボット」は一種のコンピューターウイルスで、怪しいサイトをアクセスしたり、メールの添付ファイルを不用意に開いたりすることで、感染してしまうものという。
「一度感染すると、世界のどこかの悪意を持った人にこっそりパソコンを操られてしまい、知らず知らずに自分のパソコンから迷惑メールを大量に送信したり、特定のサイトに勝手にアクセスしたりするなどの被害を受けます。つまりサイバー犯罪の踏み台にされているわけです」

自分のPCに関しては、限りなく「ネットもできるワープロ」状態で、怪しいサイトにアクセスした覚えもないので、ウイルスの感染などとは無縁のつもりでいた。
それが「サイバー犯罪の踏み台」なんて、何やら恐ろしいことになっている可能性もあるなんて……。

そういえば、「自分のアドレスから送られてきたことになっている、自分宛ての迷惑メール」なんてものもときどきくる。これももしかして?
「もし、クリックした記憶がないのにリンクが赤くなっていたり、自分のメールアドレスから出されている迷惑メールは実はボットが原因なのかもしれません」

では、こうした事態にならないためには、どうしたら良いのだろうか。
「対策としては、Windowsパソコンの場合は『Windows Update』や『自動更新』でWindowsをまめに最新の状態にすることと、ウイルス対策ソフトの更新やスキャンをまめに行うのが効果的です。あとはWindowsが98やMEなどの古い物はもうWindows Updateが提供されていないので、Windows XP / Vista / 7ぐらいにしたほうが後々安心です」
なんとなくやってたつもりだけど、「まめに更新・スキャンをすること」はけっこう重要なんですね……。

ちなみに、たとえばヤフーニュースなど、注目の最新ニュースをいち早く紹介するため、ページのURLは変更せずに見出しだけを変更するというものもある。この場合、「見た記憶がないトピックス」でも、過去に別の見出しで同じURLのページを見ていたときには、見出しの色が表示済みになっているというケースがあるようだ。


「クリックしてないのに……」と不安になった人、ぜひご参考に。
(田幸和歌子)