ぶっちゃけ、天才じゃないかと思う。なんという才能埋蔵量。あの子が描いた絵は、そのすべてを取っておきたい。そして、MoMAに展示すべきだ。
実は子どもが描く絵を愛おしく思うのは、私だけじゃないらしい。だからこそ、このようなサービスが人気を博している。「株式会社レストラン・エクスプレス」が運営する『リトルアーティスト』では、子どもが描いた何気ない落書きをアートにしてくれるそうだ。
絵は何でも良いという。ノートやチラシの裏に描かれたものは当たり前。スリッパ、木の柱に描いたもの……。それどころか、落書きを写真で撮ったものだっていい。
それらをスキャナーで取り込んで、グラフィックデザイナーが仕上げを担当。
この企画を実施しているのは「株式会社レストラン・エクスプレス」。その名の通り、本業は飲食サービスの会社である。そのような企業が、どうしてこういった他分野のビジネスを始めることに? きっかけを、同社に伺ってみた。
「社長が宅配メニューのチラシを作っているデザイナーの家にお伺いした際、ご自身のお子様の絵を元に作ったアート作品が飾ってあったんです。それを見たとき、『これを、もっと沢山の人に広めていきたい!』と思い立ち、この事業を起ち上げました」
そうして2006年にスタートした、『リトルアーティスト』。このサービスを開始する際には経験豊富な専属のデザイナーを新たに雇い、専門家が作品の1点1点に集中。心を込めた制作を請け負っている。
まさに一生ものの贈り物が届くような、新サービス。やはり、親御さんからの注文ばかりなのだろうか?
「いいえ。例えば、結婚式でご利用されるケースがございます。ご新郎様・ご新婦様が幼い頃に描いた絵を『リトルアーティスト』にし、ご両親への記念品としてお使いいただきました。
ただ、あくまで主役は原画。本来の持ち味を損なわないように細心の注意が払われているので、心配はご無用だ。
そんなこのサービスには、今までにたくさんの声が寄せられている。
たとえば「子どもが大きくなっても良い思い出として、一生大事にしたいと思っています」、「次は下の子の絵も頼みたいと思います!」と、感動を抑えきれない方々からの感謝のリアクション。
さらには「子どもが本来描いたものを崩す事なく、豊かに表現してくれたので、家族の宝物となりました」と、作品の出来自体についての感激の反響も。
この『リトルアーティスト』を利用したい場合は、専用サイトにて注文が受け付けられている。料金は14,800円から(フレーム代、送料税込み)。
また、同サービスは他業種とのコラボレーションとしても広く実施されている。まず、阪急百貨店本店(大阪)の子ども服売場の壁紙を『リトルアーティスト』の作品によってデザインしたことがある。また、ジュニア英会話教室の入会記念のプレゼントとして作品が採用されていたり……。
そして同社が今、最も力を入れているのはハウスメーカーとのコラボレーション。家を購入した方への新築祝いとして、お子さんが描いた絵を贈呈するサービスも実際に行われているのだ。まさに、サプライズプレゼントか!
こんな風に、今では様々なシーンで『リトルアーティスト』は利用されている。
今後、あるかもしれない。ふとした場所で目撃する『リトルアーティスト』の作品群。ここから、将来のスーパー・アーティストが誕生! そんな嬉しい事態が。
何を描いたのかわからないような絵でも、大人たちが大切に見守ってあげるのが大事。我々の温かい目によって、子どもたちの感性が伸びていくのだから。
(寺西ジャジューカ)