しばしば日本のメディアをにぎわす大麻や麻薬、覚醒剤の問題。大学生が薬物を乱用した事件も記憶に新しい。
そのキッカケとして、海外留学中にその味を覚える場合も多いという。実際の現場はどのようになっているのか? イギリスで最新のドラッグ事情を調査した。

足を運んだのはロンドン市内にある大学。通常、イギリスの大学には学内に学生のためのバーがあるのだが、この大学の場合、その中に学生相手の売人が紛れ込んでいるという。現地の大学生に聞き込んでみた。
「売人は大体2~3人います。
風貌は学生と区別がつかないので、学校側にバレることはありません」(現地大学生)

実際、彼の指差す方向には、東南アジア系とインド系の男性、そして東欧系の女性の計3人がいた。
「扱っている大麻はイギリス国内で栽培されたものが多いです。大麻だけでなく、(ハードドラッグと呼ばれ中毒性が高い)コカインなどもあります。ただし学生はお金がないので、実際コカインなどはそれほど買いません。金融街で働く銀行員などは豪快にコカインをやっていますね」(東南アジア系売人)

そもそも現地の大学生は、飲み会などでタバコを吸うように普通に大麻を吸う。それは大学生に限らない。
学校の休み時間に大麻を吸っている高校生などもいる。価格も日本で買う場合の半額かそれ以下の値段だという。

一方、こんな話も聞いた。学生によると地方はロンドンに比べて薬物の価格も安く、よって地元で仕入れてロンドンへ持ち込み、友人に転売している同級生もいるという。
「商用に屋根裏で大麻を栽培していた学生の親もいました。栽培には多量の照明を使うため、電気使用量の上がり具合で警察にバレる場合がありますが、その家では市内の電線からメーターを通さずに線を引き、使用量をごまかしていました。
ただしその人は、電気関係の仕事をしていたので、その工事が可能だったみたいですが」(現地大学生)

日本人留学生の現状はどうなのだろうか。やはり手を出してしまう人は多いのか? 
「すべての留学生が手を出すわけではありません。しかし好奇心から大麻を吸う人はもちろんいます。大学の学生寮の中にも蔓延しているので、手に入れようと思えば可能です。交換留学の学生の他に、語学留学やワーキングホリデーで訪れる人も多くやっていますよ。なかには偽物をつかまされる人もいます」(同)

日本と比べればずいぶん身近な環境だが、大麻をめぐる状況は年々厳しくなっているという。

「イギリスでは2009年にそれまでクラスCだった罰則(Aが最も重く、順にCまで)がBへと上げられました。時価も上がっており、以前よりは吸いづらくなっています」(同)

このように日本と比べて日常的なイギリスの大麻事情。イギリス国内でも政府の政策に賛否両論あるが、依然違法。手を出すのはやめましょう!
(欧州プレス)