“『ウルトラマン』『ウルトラセブン』に登場した、すべての怪獣・宇宙人を商品化!”

コレ、かなりスゴいことなのである。というのも、バルタン星人やレッドキングなどの人気怪獣は、昭和の時代から何度となく商品化される一方で、なかなか商品化の機会に恵まれない怪獣・宇宙人も、それなりに存在する。
だからこそ、マイナーな怪獣も含めてすべての怪獣を勢揃いさせてみたい。そんな願いが、かなった。

ことの始まりは、1994年にさかのぼる。バンダイがカプセル自販機「ガシャポン」用の商品として展開した、「HGシリーズ」の第1弾商品が、このウルトラシリーズだった。その造型と塗装のクオリティの高さが話題となり大ヒット、次々シリーズが重ねられていった。
第1弾はバルタン星人やレッドキング、第2弾ではエレキングにゼットンと、やはり当初は「手堅い」ラインナップだったわけだが、弾を重ねるごとに、マニアが「おっ」と思うようなレアなキャラクターが入るようになってきた。

シリーズが重ねられていくと、種類も充実してくる。そして販売から10年目となる2003年、シリーズが35弾まで進んだころにバンダイから、未商品化リストをホビー誌上で公開、“HGシリーズ ウルトラマン・ウルトラセブン怪獣コンプリート計画”というサプライズが、公に発表された。つまり、「ここまできたなら全部出しちゃおう」ということだ。

その後、着々とコンプリート計画は進んできたが、それでも未商品化の怪獣たちは、まだまだ残っている。コンプリートにはまだまだ時間がかかりそうだと思われていたところ、バンダイの公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」で残る未商品化の怪獣が、セット販売されることが昨年末に発表され、一気にコンプリートが達成されることになった。その名も、「HGシリーズ ウルトラマン・ウルトラセブン怪獣コンプリート計画 完結セット」。


バンダイの商品担当者に経緯を聞いた。
「怪獣コンプリート計画の発表からも10年ほどかかってしまい、ユーザーの皆様からも『本当にコンプリートできるのか?』というお声を頂いておりました。通常の販売形態では、この先どのようなスパンでラインナップしていけるかも確定できておりませんでしたが、バンダイの公式ショッピングサイト『プレミアムバンダイ』が出来たことにより、特定のユーザー様に特定の商品をお届けできるというインフラが整ってきたということが後押しになりました」

こういったシリーズ物の常として、人気があるものは比較的初期に商品化されるので(長期シリーズを見越してあえて人気キャラを温存する場合もあるけれど)、必然的にマニアックな怪獣・宇宙人ぞろいになる今回のセット。これだけでも滅多に立体化されない貴重な商品ぞろい。
「番組の後半・終盤に登場したキャラクターが多いですね。そして、やはり『サイゴは最後に』、というダジャレは無くもない……でしょうか」

足掛け20年の長い道のりにゴールが見えてきたわけだが、長年にわたって展開し続けられたのは、やはり人気キャラもマニアックなキャラも均等の確率で出る、ガシャポンという販売形態が大きかったという。
つまり、販売数が見込める人気のキャラクターが入口になるからこそ、そこにマイナーなキャラクターも入れられるというわけだ。
「ガシャポンは、何が出てくるのかワクワクしながら驚きや楽しみを味わえるというメリットがあります。さまざまなキャラクターを加えることで、ユーザーの皆様の新しい発見につなげていただければと考えています」

初のリアル造型での商品化となる幻の宇宙人「ピニア」まで加わった今回の19体セット。材料費や人権費、販売予定数などを鑑みた結果、セットで2万4000円という価格になっているが、
「そのぶん、彩色に関しましては、通常のカプセル商品では再現できないレベルで非常に細かい部分まで着色し、キャラクターの再現性を高めておりますので、ぜひ御期待ください」
とのことで期待もふくらむ。

20年目の有言実行にこたえ、ずらりコンプリートした様子をぜひ眺めてみたい。
(太田サトル)