みなさんはシャワーで洗髪する際、どんな体勢で臨んでいますか? 
頭を下に向け、後頭部と頭頂部辺にシャワーを当てながら? それとも、顔を少々上にして、額上と頭上方面にシャワーを向けて洗髪する? 人それぞれのやり方があるだろう。

しかし、洋画や海外ドラマで観るシャンプーシーンは、顔にも水が思いっきりかかるの上向きの体勢ばかり。
頭が下向きの体勢は見たことがない。

私の実家は典型的な昭和な作りの風呂場で、立ちシャワーは不可能。必然的に頭は下向きになる。長めの髪だとなおさらだ。髪が長く多かったせいで、シャワーを片手で持って、もう片方で洗い流す、というスキルもなかった。

もしかしたら、この「下向き派」が育まれたのは日本だけなのだろうか? 銭湯もやはりこの下向き用の作りが多い。
これは公衆浴場のため、バシャバシャしぶきを他人に浴びせない配慮もあるのかも?

私はアメリカ版シャワー洗髪方法が気になったので、同僚や友人に聞いてみることにした。すると、
「顔にあまり水が当たらないように一歩前に出て、頭頂にシャワーが当たるようにして洗う」
「シャワーに背を向け頭はまっすぐにして洗う」
「顔も頭も全てシャワーに向けて」
「頭のてっぺんにシャワーが当たるようにしながら洗う」
とのことで、やはり人それぞれだった。

フィジカルセラピストの友人に、体に負担をかけない一番楽な洗髪方法、というのを聞いてみた。
「自分が楽、というのがいいのよ。PT観念として首の負担を考えると、今日は後ろ、明日は前、あさっては右横、明日あさっては左横、とまんべんなくするのがいいのだけど(1回のシャンプーで首全体をひと回りできれば尚可)」ベリーショートの彼女はちょっと上向き洗髪派だと言う。
「短い髪だと負担も何も、1分するかしないかでシャンプー済んじゃうから。
でも下向いて洗ったらシャンプー液が顔や目にかかって面倒じゃない? 」と返された。
「上向いた方がシャンプーやら何やら顔全部、体にもかかるじゃない? 」と私。
やはり、人それぞれだ。

米国の風呂場は大抵トイレも一緒になっているが、バスタブの中に立ってカーテンを閉め固定式のヘッドからのシャワーで洗う。片手で持ちながら、という人は私の周りでは皆無。(ヘッドが外れる、持てる機能があってもそんなことはしないらしい) 固定されているので、自分自身が動いてシャワー設定(?)をする感じになる。
「この辺、この辺」と頭と体を動かしながらのシャンプー。

実は同僚で「下向くよ! 下向いて洗っている」という男性が1人いた。「そうなの? 良かった〜日本人だけじゃないよね〜」と、仲間外れ日本国から逃れた気分になって安心していた。そして、下向きシャンプーについて2人で考えた結果、彼が下を向く派なのは身長が関係しているのかも? という意見に落ち着いた。
190センチ近い彼が立ってシャワーをすると、昭和シャワーになってしまうのだろう、と思う。

しかし、最近の日本では、昭和洗髪ではなく上向きシャンプー派が増えている、という噂も聞いた。
立ちシャワーを設置している日本の家屋も増えているのだろう。座って髪を洗うなんてこともなくなってしまうのかもしれない。

どっちが良いわけでも悪いわけでもない。生きている間に長年のルーティン作業の1つになっている洗髪。今から変えようと思っても変えられるようなものでもない。お国柄や文化もあるのかもしれないが、それよりもやはり人それぞれの洗い方があるようだ。

(シカゴ/あらた)