こんにちは!
エキレビのロリコン担当たまごまごです。

昨今、大人の独身男性が少女を育てる、という作品がとっても増えています。

有名ドコロだと『うさぎドロップ』『高杉さん家のおべんとう』などでしょうか。
ほほえましいですよね。

で、大人の男性+小さな女の子、というのは確かに絵柄的にも物語的にも、味があります。
だがしかしですよ。
一つ屋根の下で、少女と暮らして何も気にならないものなのかというのはぼくにとって大いに疑問なわけです。
いやいやわかるよ、そもそも女性として見ないでしょってことでしょ、わかりますよ。

でも、ぼくみたいなロリコンは見ていて思うわけです。
そのシチュエーション、うらやましいけど、すっげえ困惑しそう、と。

ZUKI樹の『きんぱつへきがん関西版』は、その点についてズバリ切り込んだ作品です。
長男が急死し、慌てて次男と三男が駆けつけたところ、その家にいたのは一人の外人の少女。名前はシャルロット。
彼女は養子で、長男に育てられていたのですが、詳しい事情はわかりません。

身寄りのなくなった彼女を次男と三男が育てることになるんですが、ここからが本番。
この次男と三男、筋金入りのロリコンです。

子育てモノのフォーマットを作品は踏んではいるんです。ハートウォーミングです。
しかし、それよりもとにかくストレートに、目の前の宝玉の少女にロリコンはどう反応するかが描かれているんです。
だって、金髪碧眼ですよ。
サラッサラの髪の毛でくりくりの目玉とお人形さん状態ですよ。
しかも天真爛漫でとっても無邪気。その割に気遣いがよくできて、やっぱり養父をなくして寂しがっている。
年齢は小学4・5年生。
日本語はペラペラというか、関西弁がペラペラ。
積極的にスキンシップをとってくる。

これ、たまらんわけですよ。

ロリコンな次男と三男としては、夢の様な状況なんですが、であるがゆえに、苦悩します。
絶対手は出してはいけない。
「子供が好きだからこそ、昨今のひどい事件に心を痛めてる人間がほとんどやねんで」
そう、ロリコンだからこそ、少女を傷つけたくない。決してロリコン=犯罪者じゃない。
しかし、大人の女性であるあんずは言います。

「でもチンコは勃つんやろ」
……はい。

ロリコンだから、少女が好きだから、見守りたい。そう、その通り。
でも手を握られたら、興奮してしまう。
胸がはだけていたら性的な目で見てしまう。
抱きつかれたらチンコは勃ってしまう。

もうどうしようもないんです。そういうものなんです。

シャルロットの「好き」は、家族愛の好き。
次男と三男の「好き」は、家族愛+性欲の好き。
今まで多くの、独身男性子育て作品を見て来ましたが、タブーの部分にメスを入れたこの作品。ロリコンとしては「待ってました」ですよ。
だって、みんな父性あふれていすぎなんだもの。いやそこが癒されるから大好きなんですけども。
でも、見ているこっちとしては育てられている少女に、性的なものを感じるわけですよ。
「なんで一緒に暮らしていて、女の子として何も意識しないんだ、ストイックすぎるだろ!」みたいな感覚はちびっとあったわけですよ。

この時点で「ロリコン乙」って言われたら、全くその通りなんですが、だからこそこの作品がロリコンの本質を描いてくれたことに拍手をしたい。
ロリコンだからこそ、シャルロットという理想すぎる少女に出会ったことは幸せですし、守りたいと心から思うわけですが、それと身体的興奮は別物。
シャルロットがお父さんに対してするように手を握っても、彼らは性的興奮をおさえるのに必死なわけです。
自分が興奮していると気づかれるのもヤバいのはわかっているし、それで彼女の心を傷つけたくもない。
怖いんです。少女が。
好きすぎて近づけない。

この作品は、ロリコンが少女と距離感を持ち、保護者になるかの物語。
ロリコンであることをひた隠しにして、シャルロットに彼氏が出来てもじっと耐え、ただひたすらに我慢し続けるか。
ロリコンをやめるか。
ロリコンor Die。どっちも茨の道しかありません。
でもそんな茨の道でも歩めるのは、シャルロットという少女を家族としても、女性としても愛しているから。
うまいのは次男と三男が二人暮らしで、シャルロットが入って三人だということ。これ一対一だったら、脳みそパンクしてしまうでしょうから、上手くバランスとられています。
また近所のあんずという同い年くらいの女性がいるのもいい。冷静に「あんたらはロリコンやろ」と突っ込んでくれる。
ロリコンに大事なのは、ロリコンであることを笑いながら注意してくれる第三者なんだよ。
だから次男と三男は、シャルロットとに対して適切な距離を保てているんだと思います。

なにげに、長男は何をしていたのか、なぜシャルロットを引き取ったのか、この三人兄弟になにがあったのかなど、謎だらけの作品でもあります。
ですが今は、一人の少女に対して、自分の欲望をひた隠しに耐え続けるロリコンの生き様を、見て欲しいのです。
ある意味、かっこいい。
「でも勃つんやろ?」
……はい。


ZUKI樹 『きんぱつへきがん関西版』
(たまごまご)