“世界一性格の悪い男”鈴木みのるがハマっているブラックバスのルアーフィッシング。「ぶっちゃけ釣れない」と語る、その深遠なる世界とは?
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釣りには種類がいっぱいあって、対象魚によって仕掛けや餌(えさ)も変わってくるし、面白いよ。
たいていの釣りは、対象魚に対する釣り方が数種類しかないんだけど、ブラックバスだけはものすごくたくさんの種類がある。ルアーフィッシングはその中のひとつで、その中でもトップウォーターというカテゴリーが好きなんだ。ここにあるルアーはすべてトップウォーター(水面)に浮かべてブラックバスを釣るためだけに作られている。見た目は完全にオモチャだね。
この特殊な釣り方を楽しんでいる人口は非常に少ない。
ぶっちゃけ、これはあまり釣れない(笑)。餌をつけたほうが釣れる。
特に「お宝」って呼ぶような物はないけど、今じゃちょっとした財産のように集まっちゃったね。全部で200個くらいは持ってる。平均単価? 1個1万円くらいかな。うわー、総額は考えたくねえ(笑)。子供がミニカーを集めるような感覚かな。
眺めて楽しむためだけのルアーも100個くらい持ってて、それは一度も使わずに飾ってある。家族を含め、誰にも触らせないけどね。中には100年以上前にアメリカ人がデザインした物もある。もしかしたら作っている人たちだって、これで魚が釣れるなんて固定概念があまりないのかもしれないね。
ブラックバスを知ったのは小学校の3年生くらい。それまではハゼやスズキを釣ってたけど、ブラックバスって名前の響きを聞いたときは「ナニ!?」って思ったよ。だって「ブラック」だぜ。「何、その不良的な感じ!」って。実際、ほかの魚を食っちゃうし、子供心にそんなカッコ良さに惹(ひ)かれたよね。暴走族に憧れるみたいなノリだな。
もちろん、普通に釣れる釣りもやるし、その辺の釣り堀にも行く。釣った魚は自宅で捌(さば)いて食べるときもある。巡業で地方に行ったときは、近場の釣り場に行ったりね。田んぼには必ず用水路があるんだけど、こんなところに魚がいるのか!っていう場所を見つけたときの喜びがあったり。巡業に釣り竿を持って行くかって? そんなのは基本でしょ!
だけど常時、餌を用意してるわけじゃないから、池や川を見つけたときにパッと行って釣りができるのがルアーのいいところだね。そうやって全国各地で釣りをして歩いてる。
■鈴木みのる(すずき・みのる)
1968年生まれ、神奈川県横浜市出身。88年に新日本プロレスでデビュー後、UWF、藤原組、パンクラスを経て、現在は「鈴木軍」を率い新日本で活躍。テレビの釣り番組に出演経験もある
■『燃えろ!新日本プロレス』vol.53(2013年10月24日号)に掲載
http://weekly.shueisha.co.jp/moero/main.html
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http://wpb.shueisha.co.jp/2014/10/09/37069/
(取材・文/“Show”大谷泰顕 撮影/平工幸雄)