今回記事でご紹介するのは創元推理文庫より刊行されている青春ミステリー、通称『小市民シリーズ』のあらすじです。
作者は『氷菓』が京都アニメーションでアニメ化された推理作家・米澤穂信。
『小市民シリーズ』は現在『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』『秋期限定栗きんとん事件』『巴里マカロンの謎』が発売され、2024年4月刊行の『冬期限定ボンボンショコラ事件』でもって完結しました。
他、単行本未収録の短編も存在します。
2024年7月よりアニメ放映予定です。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『〈小市民〉シリーズ』のあらすじ
船戸高校の1年生、小鳩 常悟朗(こばと じょうごろう)は過去に苦い経験をしました。
それは問題を推理・解決したがる悪癖で、中学までは名探偵を自称し、無節操にトラブルに首を突っ込んでいたのです。
それが仇となり周囲に疎まれ孤立したため、現在は調子に乗っていた中学時代の反省を踏まえ、小市民を目指しています。
その黒歴史を知るのは幼馴染の新聞部員、堂島 健吾(どうじま けんご)だけで、彼の口外は信頼できました。
小鳩の同級生である小山内 ゆき(おさない ゆき)も人一倍好奇心旺盛な性格ですが、過去の失敗から教訓を学び、現在は地味な生活を送っています。

彼女は小鳩以上に危険な性癖を持ち、周囲に知られると致命的な影響を及ぼしかねないと懸念し、教室では控えめな態度を貫いています。
お互いの思想に共感した小鳩と小山内は、平穏な学校生活を送るために共犯関係を築きます。
しかし、行く先々で大小さまざまな謎に直面し、二人は次第に関係が微妙に変化していくのでした。
学校内でのポシェット盗難事件や自転車盗難事件を偶然にも解決し、さらには学校外でも一緒に出かけるようになり、二人は仲間意識を深めていきます。
特に夏にはスイーツ巡りを楽しんでいました。
二年生に進級した秋、お互いに恋人ができると、二人の時間は減少していきます。
小山内の彼氏は小鳩の後輩である新聞部員、瓜野 高彦(うりの たかひこ)で、近所で発生した放火事件を取材しています。
瓜野の取材に同行した小鳩と小山内は、事件の背後に隠された意外な真実を見抜きますが、危険も迫っています。