外車の「社長席」ってどこになるの?
たとえばタクシーに乗るとき。どの席に座るべきか、迷うことありませんか。
仕事先でたまたま外車に乗せてもらったとき、ふと戸惑ってしまった。

いわゆる「社長席」に、いきなり座るのはちょっと図々しい気がするので避けたいけど、外車の場合の「社長席」って、どこなんだろう?

国産車の場合、一般的にはいちばん安全な運転席の後ろの席が最上位席とされることが多いけど、やっぱり外車だと左右反対になるもの?

社団法人東京乗用旅客自動車協会、外車のハイヤーを扱う会社などに聞いてみたが、一様に
「お客さんがどこに座るのが良いかは、お客さんが好きに決めてくれれば良いもの。
タクシーより、むしろ自家用車のほうが、席が決まってるんじゃないですか」
という回答であった。

そこで、ある自動車ライターの方に聞いてみたところ、こんな答えが。
「外車の場合、基本的には国産車と左右反対側、運転席の後ろなので、後部座席左側が『社長席』となることが多いです。ただし、これは日本でのことであって、たとえば、アメリカでは上位者が後に乗るとか、上位者が運転して、その次の人が助手席に座ることなどもあります。ちなみに、日本でアメリカやヨーロッパの方に『どうぞ上座に』とすすめたところ、『上座って?』と驚かれたこともありますし、助手席を希望されたりするケースもけっこうありましたよ」

ちなみに、先述にもあるように、日本でも車での席次は、タクシーか自家用車かによって違ってくるが……。
「自家用車など、運転手が仲間内の場合は、運転する人に敬意を払うという意味で、最上位席が助手席になります。
お客さんが運転してくれる場合などは、社長が助手席ですね」

運転席の後ろではなく、助手席の後ろを「社長席」と言う人もいるけど……。
「社長に先に乗ってもらって、『詰めてくれ』というのは悪いから、乗り降りしやすいよう、助手席の後ろに乗ってもらう場合もあります」

外車でも国産車でも、タクシーでも自家用車でも、ガチガチにルール・マナーを守らなければいけないわけではなく、臨機応変に……というのは基本です。
(田幸和歌子)