米国対欧州選抜で戦う「ライダーカップ」が、来年に延期されることが正式に決定した。主催する欧州ツアーとPGA・オブ・アメリカが発表した。

昨年のプレジデンツカップでは松山英樹も活躍!【写真】
ライダーカップは例年熱烈なファンの声援のなかで戦われ、ゴルフで最もエキサイティングな大会と言われている。今年は9月25~27日に米・ウィスコンシン州のウィスリング・ストレイツGCで開催予定だったが、今回の決断に至った。
世界ランキング1位で、欧州選抜メンバーのローリー・マキロイ(北アイルランド)は「ファンなしのライダーカップはライダーカップじゃない」と発言。一方、欧州チームキャプテンのパドレイク・ハリントン(アイルランド)は、「ゴルフ界のためには無観客でも行ったほうがいい」と意見するなど、開催の是非を巡り論争となっていた。
「現在のアメリカでのコロナウィルス感染拡大の状況を考えると、9月にコースにファンを迎えての開催は厳しいと判断した」とPGA・オブ・アメリカのセス・ワーグ会長は理由を説明。結論に至るまでは限定的なファンの入場にするなど、あらゆる方法での開催も検討されたが、トップ選手らの反対の声は大きかった。

そのため「延期をするのが正しい選択」と1年間の延期を決めた。新日程は2021年9月24~26日に、会場は変えずに開催することも発表された。これに伴い21年開催予定だった米国チームと世界選抜(欧州、米国を除く)が対戦する「プレジデンツカップ」も1年先延ばしに。22年9月23~25日に、米ノースカロライナ州のクワイルホロークラブでの開催となる。
ライダーカップが延期になるのは01年の世界同時多発テロ以来で、この時にそれまでの奇数年の開催が偶数年へ、プレジデンツカップが奇数年と入れ替わっていた。
この決定を受けての選手も反応。
セルヒオ・ガルシア(スペイン)は、「とても残念な知らせだが、ライダーカップよりも大事なことはたくさんある。ファンなしではライダーカップではないから正しい」と理解を示した。また米国代表のパトリック・リードも、「選手の安全が確かでなければ、大会に関わる人すべてが安全でない可能性がある。ファンなし、あるいは50%のファンで戦っても同じ大会にはならない。延期は正しい」と賛成の立場だ。
無観客での開催を支持していたハリントンも米国チームキャプテンのスティーブ・ストリッカーとともに、「まだパンデミックの最中で、延期は正しい選択。
選手、関係者、ファンの健康と安全を守ることが第一」というコメントを発表した。米国での感染拡大が止まる気配がない現在、まだまだこの影響は続いていきそうだ。(文・武川玲子=米国在住)

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