一昔前は、夏休みに自転車で日本縦断をする青年がニュースで注目を集めていたが、この夏は自動車で日本縦断をする冒険野郎集団が注目を集めそうだ。

ゼロエミッション自動車による南極横断を目指す自動車環境問題NGO、「ZEVEX(ゼベックス)」が、トヨタ自動車の協力のもと、7月からプラグインハイブリッドタイプのプリウスによる日本縦断の旅を行っている。
プラグインハイブリッドとは、電気自動車に路上立往生を防止するためのガソリンエンジンを搭載しているもの。日常的な使用であれば、ガソリンを消費せずに走行することも可能で、次世代のハイブリッド自動車として注目を集めている車である。ちなみに、現在は特定顧客へのリースのみで、市販はされていない。

この旅の最も重要なポイントは、途中、一度もガソリンを給油することなく、スタート時にガソリンタンクに入っているガソリン(約45リットル)だけで日本列島3000キロメートルを縦断するという点にある。

基本的にはバッテリーで走行することになるため、当然、所々で充電をしなければならないのだが、充電場所は決まっているわけではなく、民家やお店のコンセントをその都度借りて充電をすることになる。

ZEVEXのブログサイトでは、しょこたんも驚き(?)の更新頻度で運転席からの旅の様子が実況中継されているのだが、充電のための交渉が意外と大変である様子がうかがえる。
協力企業であるトヨタのネットワークを活かし、ディーラー店舗にお願いすることも多いようだが、どこにでも店舗があるわけではなく、これまで、広島国際学院大学、セブンイレブン、知人の家など、様々な場所でサバイバル的に充電を行っている。

とはいえ、様々な人たちの支援もあり、今のところ、旅は順調のようだ。7月6日の時点ではガソリンはまだまだたっぷりあるようで、あまりにもガソリンを使わずに走行しているために、燃費メーターが99.9キロメートル/リットルを表示したりしているらしい。

今回の旅の目的は、「『ハイブリッド車よりエコ、電気自動車より便利』なプラグインハイブリッド車の性能を社会に周知する」ことにあるそうだ。代表の鈴木氏いわく、「現在、電気自動車が注目を集めていますが、現在の性能や周囲の環境などを考え合わせると、完全に電気だけで動く電気自動車の本格普及にはまだ多くの課題があり、それまではガソリンを併用するプラグインハイブリッドが主流になると考えています。今回の旅を通して、プラグインハイブリッドに関心を持っていただけたら嬉しいです」とのことだ。


プリウスが充電場所を探していたら、ぜひご支援いただきたい。
(珍満軒/studio woofoo)