内村航平選手が北京オリンピックに300個持っていき、三谷幸喜監督が箱買いしていたのを愛犬に食べられ、DAIGOが黒い稲妻のイルミネーションを歌い上げた伝説のお菓子、『ブラックサンダー』。
私もコネタでさんざん取材をさせていただいたことから親しみ度が増し、スーパーやコンビニに行くたび、「この店舗の売れ行きはどうだろう?」とまるで社員であるかのように気にするようになった次第……。

そして! このたびついに、待望のファンブック、『謎のブラックサンダー』(サンダーさん監修・PHP研究所)が登場! さっそくサンダーさんこと、有楽製菓の担当者さんにお話を伺ってみることに。いや、社長インタビューあり、コミックあり、水着SHOWありでお腹いっぱいな内容でしたね~。特に思い入れのあるコンテンツなんてあるんですか?

「『プロジェクトB(ブラックサンダー)~挑戦者たち~』です。テレビ番組『プロジェクトX』を意識した構成になっており、PHPさんから送られてきた原稿を推敲している間、頭の中ではずっと『地上の星』が流れていました(笑)」

『ブラックサンダー』は、発売してしばらくはあまり売れなくて生産中止の危機に陥っていたんですよね! 読んでビックリでした。それが九州地区担当のいち営業マンの熱意により、大ヒット商品に成長していくという……映像化するなら、営業マンが静まり返った会議室の机をドン! と叩いて「お願いします! 包装材が残っている分だけでもいいんです!」と涙ながらに叫ぶシーンは必須でしょうね~(笑)いや、アツイ男たちのドラマに感動しましたよ。
「文中では多少デフォルメしている部分もありますが、森園さんの粘り強い地道な営業は事実です。
本当はそこをもう少し強調したかったのですが、現在は引退されている方ですので控えめにしました」

しかも、森園さんはなんと、47歳での中途採用だったんですよね。定年まであまり時間がない自分を拾ってくれた会社に恩返しがしたい!という気持ちを持ってがんばっていた、というところにもぐっとくるものが……。

ところで、『ブラックサンダー』のライバルはスニッカーズだったんですね! 巻末のコミックは女戦士のブラックサンダーが主人公という萌え要素も入りつつ、ライバルの女戦士チョコたちと戦うという意表を突いた内容で吃驚しました。
「最初は相手(チロルやスニッカーズ)があることですし、これ載せて大丈夫かな、営業担当者が困るんじゃないかなと心配しました。でも、社長の河合が『これくらいエッジが効いている方が楽しくていいでしょう』と言ってくれたので、鬼に金棒とばかりGOサインを出しました」

河合社長といえば、インタビューで「アジア市場でスニッカーズを返り討ちにすることが当座の目標。そのために中国語の勉強もはじめた」と野望を語っていらしたのが印象的でした。
「若い女性に大ヒット中!」のコピーが、中国語だと「是在年女性中流行!」になるという……(笑)。
フランスでグリコのポッキーが『MIKADO(ミカド)』という名称で売られていることは知っていましたが、日本発で世界進出を果たしたお菓子ってほとんどないんですね。アジア各国はもちろん、ぜひアメリカやヨーロッパの若者にも「若い女性に大ヒット中!」のコピーを定着させてほしいです!

なお、サンダーさんが唯一残念だったことは、帯で告知している「ブラックサンダーストラップ」へのプレゼント応募がとても少なかったことだそう……(3月14日で応募期間は終了)。非売品で今後も再キャンペーンの予定はないそうなので手に入れた人はラッキーかも! と、そんなわけで黒い雷神がどこから来てどこへ向かうのか、知りたいあなたはぜひ。
(まめこ)