昔、我が家にはアレがあった。カセットテープを入れて再生できる、マイクが付いているやつ。
確か、『マメカラ』という商品だったような……。家で即席のカラオケができる、昭和なアイテムである。

そして、平成23年。今の時代は、コレだ。株式会社サン・ホームエンターテインメントが11月12日から展開しているのは、『Smart Karaoke』。略して“スマカラ”なるサービスである。

これはスマートフォンを使って高画質ムービーカラオケを楽しめる、世界初の試み。スマートフォンで専用アプリをダウンロードし、使用する。

詳しく説明しよう。まず、iPhoneで専用アプリをダウンロード(無料)。そしてマイク、スマカラ本体、iPhoneとテレビを接続する。そして、アプリを起ち上げ! それだけです。
あとは、自宅がカラオケボックスに様変わり。アプリで曲を選択し、思う存分歌っていただきたい。
その上、採点機能もついてるし、その点数をツイッター上でつぶやくこともできる。当然、音程やエコーの調整だってできる。

もう、夢のようなカラオケライフじゃないですか! そこで、同社に伺ってみた。このようなサービスを開始したきっかけは?
「現在の日本の閉塞感を何とかしたいと思いました。
カラオケは日本の代表的な娯楽ですし、iPhoneやiPadも登場しましたので、それらを活かしたサービスができないかと考えたのです」(同社・担当者)

閉塞感を打破したい! だからこそ、スマカラは室内だけに留まらない。上記のテレビに接続する方法以外に、あらゆる場所でカラオケを楽しむことができるようだ。
例えば、iPhone上に流れるカラオケ動画を見つつ、スマカラ本体から流れる曲に乗りながら歌う方法。こうすれば、テレビ無しでもイケる。
また、自動車内でFMトランスミッターを接続したカーオーディオから曲を流し、スマカラでカラオケしてもいい。ラジカセ等を持ち込んで、スマカラ本体とiPhoneを接続すれば、屋外でカラオケを楽しむこともできる。
花見やアウトドアといったシチュエーションに最適だろうか。

そんな日本人にピッタリのスマカラには、反響も続々と寄せられている。「気軽にカラオケができて、いいねぇ!」といった声たちである。
そして、他にはこのようなリアクションも。
「70代くらいの方が息子さんにアプリをダウンロードしてもらい、iPadを使って石原裕次郎や美空ひばりの曲を歌ってくれているそうなんです。これは、予想外でビックリしました(笑)。
『もっと、歌詞の文字は大きくできないのか?』というお声もいただきましたが、嬉しいご注文です」(担当者)

しかし、上記のエピソードはレアケース。現時点では、主に40代までの男性ユーザーが多いという。
「こういったサービスは、どうしても“新し物好き”の男性人気が先行することが多いです。しかし、女性iPhoneユーザーも徐々に増えてきましたので、自ずとこのサービスも女性が増えていく事になると思います。事実、カラオケ人気は女性の方が高いですしね」(担当者)

そして、驚きはその曲数である。楽曲は8万曲以上で、毎月最大1,000曲が追加されていく。

「単純に、一年で12,000曲が増えていきます」(担当者)
利用料金は、20曲のチケットが350円。月額歌い放題が1,200円(共に税込み)

そんな『Smart Karaoke』本体(実勢価格:9,800円)は、大手電化製品店やローソン内のLoppi、もしくはAmazonなどで購入することができる。

そして、今後の展望について。現在はiPhone、iPad、iPod touchでのみ利用することができる同サービスだが、間口は広がっていくようだ。
「もちろん、他のアンドロイド端末でも展開して行きたいと考えております」(担当者)

もしも悲しいことが起こったら、歌を歌えばいい。閉塞感を吹き飛ばし、明るく歩いていこうじゃないか。
(寺西ジャジューカ)