北海道の新しい土産物として、チョコレート菓子「黒い恋人」が人気を集めている。

このネーミング、別のお菓子を思い浮かべた人も多いかもしれないが、けっしてそれのパロディ菓子じゃない。


パッケージを見れば違いは一目瞭然。黒を基調としたパッケージには、白抜きのカップルのシルエットが大きく描かれ、どこか大人なテイスト。土産物店の陳列棚でも目立っていた。

中身は、黒豆を練りこんだチョコでとうきび(とうもろこし)をコーティングしたチョコレート菓子。チョコレートは優しい甘さで、豆の風味も香ばしい。とうきびのサクサクした食感も楽しく、口当たりが軽いので、いくつでも食べられそう。


商品を販売する株式会社サッポログルメフーズの長屋社長に話を聞くと、
「旭川は黒豆の産地。身体にいい黒豆とチョコレートのコラボで、なにか北海道らしい商品が作れないか、と思ったのが開発のきっかけです」
とうきびに黒豆、そしてチョコレート。たしかに原料はどれも北海道らしいものばかり。

商品の発売は昨年7月。とくに宣伝もしていないのに、たちまち口コミで評判になり、製造が追いつかないほどの売れ行きに。人気はいまだ止まるところを知らず、GWは限定出荷になるかもしれないほどだとか。


ネーミングの由来が気になる人も多いだろう。そもそも「黒い恋人」とは、あさひかわ農業協同組合が20年ほども前に取得した商標登録。黒豆の産地である北海道旭川市では、この名前で生の黒豆が売られていたりする。

もちろん、今回の商品名に「黒い恋人」を使うことは、あさひかわ農業協同組合も了承済み。実は同商品の原料の黒豆は旭川産。あさひかわ農業協同組合から供給してもらっているのだ。

「このお菓子とともに、旭川の黒豆もさらに有名になれば」
と長屋社長。「黒い恋人」は、チョコレート4割、黒豆6割という味のバランスを目指したそうで、上品な黒豆の風味がしっかり。焙煎することで香ばしさも出しているという。

商品は道内のデパート、土産物店、空港売店、道の駅などで販売中。7本入り261円、18本入り630円(いずれも税込)。1本ずつ個別包装されているのでお土産にもぴったりだ。
また、今後は同名のキャラメル菓子も発売するそうなのでこちらも楽しみ。

急速なペースで売り上げをのばしている「黒い恋人」。北海道の定番土産入りする日も近そうだ。
(古屋江美子)