「エンディングノート」は和製英語だが、訳せば「最期の記録帳」といった感じであろうか。自分の人生の記録や、残された人に向けたメッセージや連絡先などの必要事項を書き記したノートのことだ。
今までは主に高齢者が自身の終末期に書くようなものであったようだが、最近、若い人向けのエンディングノートに注目が高まっているそう。特に震災後から若い世代も「万が一」のことを意識し始め、売れ行きも良いのだという。

そもそもエンディングノートを書くメリットとはなんだろう。主に3つほど考えられるのではないだろうか。

1.連絡先や知らせておきたいこと、大事な書類の場所など、本人にしか分からないことを書いておけば、いざという時に家族の負担が軽くなる。
2.どんな友達がいたか、どんなイベントや出来事があったか、どんな所に住んできたか、どんな家族がいるかなど自分の人生を振り返るのに非常に便利。

3.面と向かっては照れくさくて言えなかったようなメッセージをエンディングノートに残しておくことで死後、家族の悲しみを癒す効果がある。

エンディングノートは法的効力を持たないが、だからこそ、自由に自分のセンスで作成することができるというメリットがある。まず購入したら構えないで、とりあえず書いてみよう。今回は、未来に残すエンディングノート編集委員会の萱島さんにお話を伺ってみました。

――「エンディングノートのバリエーションが増えてきました。書き込んでいる事自体が楽しくなるようなページのあるものが人気ですね」
今までエンディングノートと言えば、葬儀の事や遺産などの事がメインのものが大半であった。
しかし最近は、自分の事を書き込む項目や、後世に残したいレシピ、自分の宝物などを紹介するページなど楽しく書き込める遊びページがあるものが増えてきているという。

――「いろいろと自分をふり返れて、将来のビジョンも見えてくるような“気づき”のある一冊としても使えますよ」
同編集委員会がプロデュースした「Never Ending Note」は、「今まで楽しかった事ベスト10」という項目や、「大切な人へのメッセージ」、「自分年表」などのページがある。確かにこのようなページは、自分を振り返る自己分析にも使えそうだ。
エンディングノートは、誕生日や正月などの節目に毎年更新するという人も多いとのこと。小さな子供がいる人は、しつけ方やアレルギーや持病の事などを書いておけば万が一のときも安心だ。また、結婚前に彼と将来を考えるツールになるという使い方もあるため、若い世代にも有意義に使えるそうだ。


――「死んでからやっと発見されるノートというよりも、生きている時から家族や大切な人とのコミュニケーションツールとしての使い方が、若い世代を中心に流行っていますね」
エンディングノートは、周りの人とコミュニケーションを取りながら、自分というものを振り返ることができる。子供と一緒に書き込んだり、写真やシールでカラフルに思い出に浸したり、自分というものを表現するノート、作ってみてはいかがだろうか。
(あらみり)