(台北中央社)新型コロナウイルスの感染が広がっている中国湖北省にとどめ置かれている台湾人の帰国の見通しが立っていない。蘇貞昌行政院長(首相)は3日、立法院院会(国会本会議)で答弁に立ち、「膠着(こうちゃく)状態の原因は中国にある」との見方を示した。


政府は1月下旬ごろ、チャーター機の派遣を打診。中国側から回答はなかったが、2月初め、中国の航空会社が運航するチャーター機で247人が帰国することになった。

中国側は台湾からの航空機を受け入れず、中国が手配した機体で台湾人を移送する立場を堅持。また、台湾は持病がある人などを優先的に帰国させる方針だったが、中国側は搭乗者リストを出発直前まで提出せず、最終的な搭乗者にはリストに含まれていなかった人に加え、感染者もいたことで議論を引き起こした。

蘇行政院長はこれらについて、蔡英文総統は中国に対し今回だけは許すが、次は認めないとの立場をすでに表明していると言及。台湾から機体を派遣することは必須条件かとの質疑に対しては、形式にこだわらず、弱い人を優先的に帰国させることと、感染予防の徹底を第一に考える姿勢を強調した。


(陳俊華/編集:楊千慧)