人間洗濯機の原型を見た!「サンヨー館の思い出」展
(上)これが人間洗濯機だ!(下)思わずもって帰りたくなるキュートさ!当時のサンヨー館のコンパニオンさんの人数と同じ、46体がズラリと並んでます。
開催中の愛・地球博へいって「大阪万博もこんな感じだったのかな〜?」と当時の熱気を想像した人も多いのではないだろうか。私もなんとかギリギリ!?大阪万博は未体験の30代。
70年代といえば、今よりずっと娯楽が少なかった時代。テーマパークがまだなかった頃の人々の熱狂ぶりは、現代の想像をはるかに超えるものがあったに違いない。

ところがそんな大阪万博でも大人気だったサンヨー館の追体験ができる展覧会が、大阪のサンヨーミュージアムで開催中との情報をゲット。最近、Bitでも「ネットカフェで全自動人間洗濯機を初体験」という記事が話題となっていましたが、35年前の大阪万博ですでにサンヨー館の目玉として人々の注目を集めていたのが実はこの人間洗濯機、だったのです。これは見にいくしかないでしょ、ということでさっそく出かけてきましたよ。

入館すると、まず1Fロビーに例の「人間洗濯機」がド〜ン! 丸みのあるスペーシーなデザインがステキだ。資料でしか見たことがなかった実物を、こんなにそばで見ることができるなんて…ロビーだけで帰ってもいいほど満足してしまった私だが、せっかくなので2F展示室にも上がってみることに。

展示室には来館者にプレゼントされた鯉のぼりピンバッジ(鯉のぼりはサンヨー館のシンボルだったらしい)や、サンヨー館の全景を知ることができる1/100サイズの模型、外国人に贈られたハッピなどマニア垂涎の? レアなアイテムがいっぱい。当時の様子を捉えた写真パネルや貴重なポスターの展示、なんとコンパニオンさんの制服の現物も!

取材に応じてくれたサンヨーの担当者さんの話によると、つい最近サンヨー館のコンパニオンさん達の同窓会がここで行われたらしい。当時20代だったと考えると皆さん50代になっているはずなのだが、今なおスタイル抜群でそれはそれは美しい優雅なマダム達が集っていたそうだ。

個人的に目が釘づけになったのが、サンヨー館のコンパニオンさんと同じ制服を着たリスのマスコット(なんと、デザインは手塚治虫です!!)。このリスちゃん、当時サンヨー館やサンヨーの販売店などでお客さんにプレゼントされたもので、その愛らしさが大人気だったのだとか。
そりゃそうですよね〜、今見てもモリゾー&キッコロもびっくりのかわいさですもんね。

ちなみに、当時のサンヨー館の来館者数はなんと総計5,858,695人。「人間洗濯機」を筆頭に、TV電話のついた「健康カプセル」や報道関係者に貸し出された「電動自転車」など当時夢みた「未来」が今ではほとんど実用化されていることを思うとまさに感慨深いものが…。

この展覧会では、大阪万博サンヨー館のあれこれを集めた特設コーナーのほか、歴代のサンヨー家電と広告ポスターなどを集めた常設展もすべて無料で見ることができる。70年代の夢をギュッと凝縮したこのスペシャルな思い出、9月末まで開催中とのことなので愛・地球博とあわせていかがですか?(野崎泉)
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