雨の日の関西名物? 自転車と傘スタンド
「関西の人気アイテム」というよりも、すでに定番アイテム。写真は株式会社ユナイトの「お孫さん」。
雨の降る日の関西地方で、必ずといっていいほど目にする光景。それは色とりどりの派手な傘、そしてそんな傘をさし颯爽と自転車を漕ぐオバチャン集団の姿だ。

しかし雨の日に傘をさして自転車に乗ると、普通は片手運転になって危ないし、スピードも出ない。
ところが関西地方のオバチャンは、雨の中でもお構いなし。爽快と自転車を飛ばしている。

そんなオバチャン達の秘密兵器が「傘スタンド」である。

これは傘をさしながらの両手運転を可能にしたアイテムだ。
使い方は至って簡単。
自転車のハンドルにスタンドを設置し、そこに傘を差しこむだけ。傘は自転車に固定されるので、両手でしっかりと運転できるというわけだ。雨が止んだらそのままたためる上、傘の高さ調節も可能というアイデア商品である。
代表商品のひとつが、株式会社ユナイト発売の「さすべえ」だが、他にも様々な種類が発売されており、関西ではホームセンターなどで気軽に購入することができる。
なんとこの傘スタンド、関西では装着率が80パーセントを超えているという説もある。
確かに見渡してみると、ほとんどの自転車が装着している。

雨の日でも気軽に買い物に行けるという点から、特に主婦層の人気をゲット。愛用者いわく、「うっとうしい雨の日でも、これがあれば外に行こか思えるで」とのことである。他にも雨の日の通勤通学のために、お父さんから子供まで愛用者の幅は案外多そうだ。

しかし関西ではよく目にするこの傘スタンド付き自転車も、関東ではほとんど見かけないらしい。
関東の人にその理由を聞くと「オシャレに見えないから」というのがその答えであった。確かに、ちょっとずぼら感とモッサリ感を感じてしまうアイテムでもある。

しかし数々のブームを巻き起こしてきた関西だ。この「傘スタンド」も、全国規模でブームとなる可能性を秘めている。
傘スタンドには日傘をセットする事もできるので、夏に向けて早めにチェックしておくと流行を先取りできるかもしれない。
(のなかなおみ)