モノじゃなく「コト」を贈るギフト

最近、結婚式の引き出物などでよく「選べるギフト」をもらうことが多いが、欲しいものがなにひとつ載ってない！　ってことも多いですよね。自分が贈り手になる場合も、モノがあふれる現代社会、たいていのものはもうどこの家にも揃っているし、あんがい迷ってしまうことが多いもの。そんな時、「乗馬」や「ヨガ」「陶芸体験」などモノではなく「体験」を贈るというギフトがあるらしい。
日産の某クルマのCMに「モノより、思い出」なんて名コピーもありましたが、これはありそうでなかった画期的なサービスなのではっ!?　ということで、さっそくこのサービスを提供するソウエクスペリエンス株式会社に問い合わせてみた。

取材に応じてくださった同社の山本さんによると、去年の10月から始めたばかりのまだできたてほやほやのサービスなのだとか。実はイギリスにこれと同様のビジネスモデルがすでにあり、それを参考に日本向けにアレンジしたサービスを提供できないだろうか？　と考えたのがスタートのきっかけという。ちなみにイギリスでは「アラスカで犬ぞり体験」とか「F1ドライバーの助手席にのって疾走体験」（！）などという値段もスケールもケタ違いなものが多く、どちらかというセレブ向けのサービスがメインらしい。
しかし、ソウエクスペリエンスさんでは5,250円と10,500円の2つのコースを用意し、気軽に行える様々な体験をラインナップ。乗馬、キックボクシング、ヨガ、スパ＆サウナ、陶芸、リフレクソロジー、書道、ピアノレッスン、茶道、スカイバスでの東京遊覧観光、ウクレレ、ギター、整体、メイクアップレッスンやボーカルレッスン、中国語講座にカヌー教室まであってビックリ!!　それぞれのコースから体験したいものをどれでもひとつ、選ぶことができるんです。

ちなみにいちばん人気のコースは？　と聞いてみたところ、「頭皮マッサージ」などのリラクゼーション系だという。へ〜っ、なかなか普段は体験できない乗馬とかカヌーに人気が集中するのでは？　と予想していたのでこれはちょっと意外な結果ですよね。
山本さんいわく、「当社としてはできれば“新しいことにチャレンジしてほしい”という思いがあるのですが、贈る方と贈られる方の“思い”に温度差がある場合もあるんです。たとえば20〜30代の方がご年配の両親にプレゼントされるような場合だと『やったことがないことに挑戦するのはちょっと……』と言われる方もいたりして。その点、リラクゼーション系のコースは、何かに果敢にチャレンジするというよりは、行くだけで気軽に体験できるというのが魅力のようですね」とのこと。
ほか、隠れた人気があるのは「茶道」だそうで、これは「日本人なら1度はやってみたい」と思っている人がけっこういるんですって。これは、なんとなくわかるような気がします〜。私も1度はやってみたいですもん。

ところでもうすぐ敬老の日（9月18日ですよ！）ですが、うちの祖父母、両親共に「欲しいものなんて、もうなにもない」というのが口癖で、毎年プレゼントに四苦八苦しているのが現状デス。そんなとき、これは意外性もあってあとあとまで心に残る……というわけで試してみる価値アリ！　かもしれません。
残念ながら今のところ、贈り先は首都圏在住者のみが対象なのですが、この先エリア、また商品ラインナップも拡充していく予定だそうなので楽しみですね〜。あなたも今年は思い切ってモノではなく「コト」を贈ってみてはいかが。
（野崎　泉）