大学を決める前に「素顔」を知っておきたい
著にはオバタカズユキ、石原壮一郎、絵は、しりあがり寿、和田ラヂオという執筆陣も豪華。
大学入試センター試験も終わり、いよいよ志望校を決める時期となった。
自分などは、もともと堅実で面白みのない性質ゆえに、センター試験の得点で大学を選んでしまったところもあるのだが、入ってみないとわからない「大学の空気」というのがあることを、後に知った。

大学生活そのものを純粋に楽しむなら、やはりこの「空気」を知っておきたいと、今なら思う。

そんなとき、役立ちそうなのが、『大学図鑑2007』(ダイヤモンド社)だ。
これは1999年に初めて発行され、すでに8冊目となっているもの。1000人以上にのぼる現役学生やOB&OGたちに取材し、つくったものとあって、良い面悪い面含め、本当にリアルなのだ。

たとえば、見出しだけでも、相当鋭い部分をついているのだが、これらがどこの大学かわかりますか?
1・多彩なキャラがざわざわ行き交うヒューマンスクランブル大学
2・明るく賢くエスタブリッシュに咲き誇る私大の華的大学
正解は、1が早稲田で、2が慶應義塾大学。いずれもかなりキャラが立ってるので、わかりやすいのではないか。

じゃ、これは?
3・まあまあの満足感を感じながら生きていける内弁慶的な大学
4・人生をはい上がる闘志に燃える限りなく就職予備校っぽい大学
5・カタイ・キツイ・クライ、でもカシコイ!
6・ちやほやされたい上品ぶりっこたち
7・真面目な地方人が地味に結集している首都圏の地方大学
8・安定志向エリートの巣窟。でもノリは高校生
9・聖域で培養される偉大なる変人たち
10・金太郎飴っぽい安心感が漂う「女子大生」の集団
では、3番から順に。立教、専修、津田塾、白百合女子、千葉、一橋、京都、実践女子。「なるほどー」と思うものや、「え? そんな言われよう?」と思うものなど、様々だ。

これらの見出しを筆頭に、学生の気質や、生活と性格など、出身大学の人が見たら、かなりムッとくる表現もあるかもしれない。でも、これらは現役学生やOBなどが言ったことだし、ムッとするのはやっぱり図星だからか……。


これから大学を決める人だけでなく、もう離れてずいぶんたつ人も、読んでみるときっといろんな思いがよみがえるはずです。
(田幸和歌子)
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