吉本の人気若手芸人ばかりが出ている映画『日常 恋の声』って?
上から、“仮面ドライバー”の2人(ケンドーコバヤシ&次長課長・井上)、金物屋の店長(小薮千豊)に執拗なまでに追い詰められる店員(ハリセンボン・近藤春菜)、元婦人警官という設定の友近。いうまでもなく、みなさん芸達者!<br>(c)エス・エス・エム
先日、ダウンタウンの松本人志=松ちゃんの映画初監督作『大日本人』が話題に。6月の公開を今から楽しみにしている人も多いことだろう。


で、「何度みても面白い映画なので、リピーターを期待している」という、松ちゃん本人のコメントがあったが、何度みても面白い映画といえば……、その前に、あの映画があるじゃないか!

そう、松ちゃんと同じ、吉本興業所属の若手芸人ばかりがキャストの映画『日常』シリーズの新作が!!

『日常』は、昨年2月に公開されると、渋谷の上映劇場ではレイトショーの観客動員記録を塗りかえるほどの人気ぶりで、その続編として製作された『日常 恋の声』が2月3日(土)から公開されるのだ。

『日常 恋の声』のキャストには、前作に続いて出演のケンドーコバヤシ、次長課長の井上、友近、ブラックマヨネーズらに加え、麒麟、アジアン、ハリセンボンなど、今をときめく吉本興業の芸人たちが総出演。また、関西の方々にはとくに馴染み深いであろう芸人たちが他にもたくさん出ているが、あの、友近の噂の彼(ザ・プラン9のなだぎ武)も出演していて、とても良い味出している。また、元モーニング娘。の安倍なつみの特別出演もあり(テレビ東京「娘DOKYU!〜絵流田4丁目の人々〜」でハリセンボンと共演したつながりから)。

監督は、笹部香監督という女性監督。
『日常』シリーズは、2002年に某在阪局の深夜特番として放映されたものから数えると、実は今回が3作目。以前、笹部監督に『日常』を作ったきっかけについて伺ったことがあるのだが、サラリーマンが唐揚げを取り合うだけの、だらだらした“中川家”のミニコントが大好きで、「こういうのばっかり、ずっと見たい」と思ったからだとか!

そんなわけで、『日常 恋の声』もまた、ストーリーというストーリーがない。しかし、話が噛み合わないカップルやら、キャバクラでホステスを口説こうとするサラリーマンやら、地球環境について熱弁する男やら、私たちの日常でもどこか見たことありそうな登場人物と彼らの会話に、思わず共感したり、笑ってしまったりする。

この作品、撮影の段階で大まかな設定は決まっているそうだが、セリフのほとんどは芸人たちのアドリブだとか。とはいえ、彼らの姿はテレビで見るものとはやはり違うので、なんだか新鮮だ。

ケンコバと次長課長の井上演じるストリートミュージシャン、その名も“仮面ドライバー”が歌うコネタ満載?! な曲も必聴! ちなみに、もうけっこう有名だが、実際にケンコバは井上さんにとって師匠であり、そんな2人の相性はミュージシャンとしてもバッチリ! だと思う。


もちろん笑いもいっぱいあるけど、お笑いではない、映画『日常 恋の声』。見終わるとほっこり、やさしい気分になるような、実はまじめにステキな映画なのである。
(田辺 香)

『日常 恋の声』は2月3日(土)より、シアターN渋谷(東京)、シネマート心斎橋(大阪)にて公開