リニアモーターカーは意外と身近!?
(上)日本初のリニア地下鉄、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線。<br>(下)リニアメトロの特徴はレールの間の「リアクションプレート」
先日、気になる記事が紙面に掲載されていた。JR東海が今後20年をめどに東京〜大阪間の超伝導リニアモーターを実用化する計画を明らかにしたというのだ。
「リニアで東京〜大阪が1時間」というのは、何十年も前から言われているものの、未だに実現していない日本人の夢だ。

それにしても、愛知万博の際にはリニモが開通したものの、誰もが知っている「リニア」が大活躍するのは、当分未来の話だろうか……。

このように、あまり実用的でないように思われているリニアモーターカーだが、結構身近なところで活躍していて、意識しないで利用している人も多いかもしれない。実は、リニアの力で動いている地下鉄があったりするのだ。

といっても、浮上しているわけではなく、普通の地下鉄と同じでレールの上を走っているので「鉄輪式」と呼ばれているもの。でも、従来のモーターではなく、正真正銘リニアモーターで動く「リニアメトロ」だ。普通の電車は、モーターの力で車輪を回転させて進むわけだが、リニアメトロは、車両と線路の間の磁気の力で進むわけだ。

日本初のリニアメトロが開通したのは平成2年(1990年)。花博の会場・鶴見緑地へのアクセスとして開業した大阪市営地下鉄鶴見緑地線(現在は長堀鶴見緑地線)だ。

リニアメトロのメリットは、「車両とトンネルをコンパクトにできる」「急カーブや急勾配に強い」「低騒音」など、従来の電車が抱えていた数々の課題を改善できること。

そのため、鶴見緑地線に続いて、大江戸線(東京都)、海岸線(神戸市)、七隈線(福岡市)と、他の路線と相互乗り入れのない新しい地下鉄路線には次々とリニアメトロが採用されていて、去年の12月のクリスマスイブの日には、大阪市では2本めのリニアメトロ路線となる今里筋線が開業している。
さらに、現在建設中のグリーンライン(横浜市)と東西線(仙台市)にもリニアメトロが採用されている。


なお、コスト削減のために、小さい車両の路線ばかりになっているが、決してリニアメトロは小さい車両にしか使えないというわけではないそうだ。
(もがみ)

(社)日本地下鉄協会HP
大阪市交通局HP
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