
ところが先日訪れたインドで国内線に搭乗した際、そのセキュリティ・チェックの厳重さに驚いた。同行した旦那も「インド、すごいね……」と一言。基本的には日本と同じ流れだが、細かいところが違うのだ。
まず預ける荷物のX線チェック。これは日本と同様だが、チェック後はシールを貼られるだけでなく、プラスチックの紐で荷物をくくられる。再び開けて何か入れられるのを防ぐためらしい。
チェックインを済ませた後は、手荷物のX線検査や金属探知機の検査に進む。日本と違うのは、機内に持ち込む手荷物全てにタグをつけなくてはいけないということ。セキュリティ・チェックがOKなら、その証拠としてタグにスタンプが押されるのだ。
このとき、たいてい個別のボディチェックもされるが、男性と女性ではブースが分かれている。女性はカーテンで仕切られた個室でのチェックだ。外からは見えないためか若干触り方も激しいような気がしたが、気のせいか。
そんなこんなでやっと待合室に到着したと思ったら、すぐに係員に呼ばれ、ゲートの外に連れていかれた。「何事?!」と一瞬焦ったが、「あなたの荷物はどれ?」と聞いてくる。指差す方向をみると、そこにはたくさんのスーツケースやリュックが並んでいる。その中から自分が預けた荷物を探し出すと、係員は荷物タグとの番号が合っていることを確認し、積み込み用のコンテナに荷物を載せてくれた。
このように最終的に持ち主によって確認された荷物だけが機内に積み込まれるのだ。かなりの念の入れようである。持ち主不明の荷物が機内に紛れ込むのを防いでいるのだが、逆に言えば、このチェックを忘れると預けた荷物も機内に載せてもらえないので要注意。
そしてついに搭乗。手荷物のタグにちゃんとスタンプが押してあるかどうか最終確認が行われ、ようやく機内へと通される。なかなか長い道のりだ。空港や航空会社によって手続きに若干差はあるが、基本的にはどこも厳しい。
乗客としては安心であるに越したことはないけど、それだけ世の中が物騒ってことですね。
(古屋江美子)