最近、電車の中などで、「妊婦マーク」のバッジをつけている女性を見かけることが多くなった。
自分自身、出産経験があるが、そのときは、この存在を全然知らなかった。
調べてみると、「BABY in ME」なるサイトから始まったもので、もともとマタニティのシンボルマークとコンセプトを提案している展開の一環に、このバッジがあるらしい。新聞やテレビでも取り上げられ、けっこう浸透してきているようだけど……。
そもそものきっかけは? BABY in MEの村松純子さんに聞いた。
「今から10年ほど前、一緒に仕事をしていた友人が妊娠し、仕事がひと段落するまで妊娠のことは周囲に内緒にしていたのですが、妊娠初期のある日、打ち合わせで貧血になり、彼女だけ先に帰ることになったんです。ちょうど夕方のラッシュの時間帯だったので、不安で、後日、『帰り道は、どうだった? 電車の中で席など譲ってもらえたの?』と聞いたところ、『とんでもない。妊娠初期は見た目では分からないので、若い女性が気分悪そうにしていても酔っ払いと間違えられて白い目で見られた』と。そんなとき、何か目印になるマークのようなものがあれば、周りも気をつかいやすくなるのに……と思ったんです」
確かに、妊娠に関しては「間違えたら失礼に当たるから、どうしても声がかけづらい」という人は多いはず。
1999年、サイトを立ち上げたが、最初はすべてが「手探り」だったと言う。
「その頃は、類似のマタニティマークのようなものは他には全くなく、妊娠初期という言葉さえ珍しいような時期でしたので、このコンセプトがどこまで受け入れてもらえるかも不安でした」
そこで、まず「少ない枚数から作れる」という理由で、まずTシャツを作成。次に、汎用性の高いステッカー、さらに「着脱が容易で、しかも個人でも安く作れるもの」として、バッジを作成したのだとか。
デザインとして工夫した点は、「Babyを感じさせるデザインであること。シンプルで、可愛い! と思えること。
サイトを見て賛同した人が増えたことなどで、徐々に広まってきたというこの展開、現在では、千代田区、釧路市のほか、三重県の鈴鹿市、桑名市、いなべ市、東員町などの自治体でバッジやステッカーなどの配布をしている。また、医療機関で配っているところもあるという。
近年は、妊婦雑誌の付録として同様のストラップなどがついてきたり、他の団体などでもつくっていたりと、バリエーションも増えてきているよう。
ちなみに、「赤ちゃんが欲しくて悩む女性への配慮は?」といった声もあるそうだが、その一方で、実際に、不妊治療の末に苦労して授かった人から「赤ちゃんができたらぜひ使いたいと思っていた」といったメールをもらうことも多いのだとか。
「妊婦」ということを自分から言えない人は、やっぱり多い。そんなとき、このマークが果たす役割は、今後、ますます増えていきそうだ。
(田幸和歌子)
・「BABY in ME」HP
自分自身、出産経験があるが、そのときは、この存在を全然知らなかった。
けっこういろんな人がつけている気がするが、これ、母子手帳などと一緒に、自治体からもらえるんだろうか?
調べてみると、「BABY in ME」なるサイトから始まったもので、もともとマタニティのシンボルマークとコンセプトを提案している展開の一環に、このバッジがあるらしい。新聞やテレビでも取り上げられ、けっこう浸透してきているようだけど……。
そもそものきっかけは? BABY in MEの村松純子さんに聞いた。
「今から10年ほど前、一緒に仕事をしていた友人が妊娠し、仕事がひと段落するまで妊娠のことは周囲に内緒にしていたのですが、妊娠初期のある日、打ち合わせで貧血になり、彼女だけ先に帰ることになったんです。ちょうど夕方のラッシュの時間帯だったので、不安で、後日、『帰り道は、どうだった? 電車の中で席など譲ってもらえたの?』と聞いたところ、『とんでもない。妊娠初期は見た目では分からないので、若い女性が気分悪そうにしていても酔っ払いと間違えられて白い目で見られた』と。そんなとき、何か目印になるマークのようなものがあれば、周りも気をつかいやすくなるのに……と思ったんです」
確かに、妊娠に関しては「間違えたら失礼に当たるから、どうしても声がかけづらい」という人は多いはず。
1999年、サイトを立ち上げたが、最初はすべてが「手探り」だったと言う。
「その頃は、類似のマタニティマークのようなものは他には全くなく、妊娠初期という言葉さえ珍しいような時期でしたので、このコンセプトがどこまで受け入れてもらえるかも不安でした」
そこで、まず「少ない枚数から作れる」という理由で、まずTシャツを作成。次に、汎用性の高いステッカー、さらに「着脱が容易で、しかも個人でも安く作れるもの」として、バッジを作成したのだとか。
デザインとして工夫した点は、「Babyを感じさせるデザインであること。シンプルで、可愛い! と思えること。
フェミニンすぎないこと。できるだけ、オシャレで、今のファッションにも馴染みやすく、どんなアイテムにも収まりのよいこと。押し付けがましくないこと。嫌味のないこと。メッセージの受け手の側に、自然に受け入れてもらえること」などなど……。
サイトを見て賛同した人が増えたことなどで、徐々に広まってきたというこの展開、現在では、千代田区、釧路市のほか、三重県の鈴鹿市、桑名市、いなべ市、東員町などの自治体でバッジやステッカーなどの配布をしている。また、医療機関で配っているところもあるという。
近年は、妊婦雑誌の付録として同様のストラップなどがついてきたり、他の団体などでもつくっていたりと、バリエーションも増えてきているよう。
ちなみに、「赤ちゃんが欲しくて悩む女性への配慮は?」といった声もあるそうだが、その一方で、実際に、不妊治療の末に苦労して授かった人から「赤ちゃんができたらぜひ使いたいと思っていた」といったメールをもらうことも多いのだとか。
「妊婦」ということを自分から言えない人は、やっぱり多い。そんなとき、このマークが果たす役割は、今後、ますます増えていきそうだ。
(田幸和歌子)
・「BABY in ME」HP
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