ひとごとながら、ちょっと寂しい……。
でも、コレ、けっこうちゃんとした理由があるのだと、友人は言う。
「元ダンナがさあ、自分の母親のことをイイトシになるまで『ママ』って呼んでたらしくて、変えどきがわからなくって、今は恥ずかしいから『ババア』って言うんだよ」
友人いわく、「ほどよい年齢で、ママ→お母さんに移行できないと、呼び方がわからなくて、おかしな呼び方になってしまう」のだそうだ。
そんなわけで、友人の子は小学校入学と同時に、「ママ」改め、「お母さん」呼びデビュー。
世間ではいったいいつ、親の呼び名の変更を決意するものなのか。
周りの人たちに聞いてみると……、
「女の子は『ママ』でいいと思うけど、男の子だから、赤ちゃんの頃から『かあちゃん』って言わせてるよ」(30代母)、「途中で呼び名を変えるのは難しいから、最初から『お母さん』と言わせてる」(30代母)と、最初から「ママ」と呼ばせてない人は、2名いただけ。
「中学に入るくらいまでに『ママ』じゃなくなればいいかと思う」(30代母)、「女の子だから、本人が変えようと思わなければ、別に『ママ』でいいと思う」(20代母、30代母)、「友達とかに何か言われたら、本人が変えるんじゃない?」(30代母複数名)、「周りの子たちが『ママ』って言わなくなったら、やめると思う」(30代母複数名)など、「特に時期を決めずに」「本人が考えること」という人が圧倒的多数だった。
対して、自分自身の経験については、
「小学生の頃、『ママ』と呼んでたら、友達にバカにされたので、やめた」という男性や、「もともと『ママ』って呼んでるのは金持ちの子だけだった」という男性、「田舎では『ママ』なんて呼ぶ人は、男にも女にもいなかった」という女性など、「子どもの頃から、ママと呼んだことがない」という人が多数のよう。
ただし、もともと「お母さん」と呼んでた人は、それはそれで、さらに恥ずかしく思う時期もあるようで……。
「『お父さん』『お母さん』って呼ぶのが、大学生の頃に恥ずかしくなって、『オヤジ』『オフクロ』にかえた」(30代男性)
「『お父さん』『お母さん』と呼ぶのがなんとなく恥ずかしいから、最近は『おとん』『おかん』と言ってる」(30代女性)
一方、こんな意見もあった。
「『パパ』『ママ』も恥ずかしいけど、かといって『オヤジ』『オフクロ』って呼ぶのも頑張っちゃってる感じで、逆に恥ずかしかったから、気づいたら、『ねえ』とかしか呼ばなくなってた」(30代男性)
確かに、自分も子持ちになって、自分の親のことを孫目線から「じいじ」「ばあば」と呼ぶようになったけど、これはかなりのテレ隠し。それまでは「あのさあ」「ねえ」だった気がする。
移行時期って、意外と難しいもんです。
(田幸和歌子)