旧500円玉は今!?
500円玉を47枚集めてみたものの、1枚も旧500円玉はありませんでした。
1982年にデビューし、長く活躍していた旧500円玉。
ところが相次ぐ偽造問題によって、2000年に現行の新しい500円玉へと世代交代。
旧500円玉は徐々に姿を消していき、ここ何カ月か、僕はその姿を見ていない。
旧500円玉は今、一体どうしているんだろう?

財務省に、その消息を聞いた。
「実は、みなさんの手元にあるんですよ」
え、手元に? 新しい500円玉しか持ってないんですけど……?
「旧500円硬貨は今、100円硬貨や50円硬貨に生まれ変わっています。その3つの貨幣はどれも同じ白銅(銅とニッケルの合金)でできているため、リサイクルできるんです」
まさか、金額を変えて活躍していたとは。しかもずいぶん安くなって……。

旧500円玉が生まれ変わる流れはこうだ。

まず、僕らが店などで使った旧500円玉が銀行を経由すると、日本銀行に回収される。そのあと貨幣を作っている造幣局で一旦保管され、硬貨を作るとき溶かされて素材の白銅に。それが新品の100円玉や50円玉になり、さっきと逆の経路でまた僕らの手元へやって来る。

ただし、別の道を辿る旧500円玉もあるという。
「造幣局の保管場所では、袋詰めで山積みの状態になっていて、置き場所がないのが現状です。そのため、保管しきれなくなった分の旧500円硬貨は、素材の白銅にした状態で民間企業に売っています」
入札で最高額を提示した企業に売って、国のお金にしているのだという。
もしかしたら身近な銀色の製品に、旧500円玉が混ざっているかもしれない。

ちなみに、ほとんど見なくなった旧500円玉だけど、実際はかなりの量がまだ出回っていて、回収されていないという。

日本銀行の調べによると、2007年8月末の時点で、新旧500円玉の合計流通枚数は37億8460万枚。うち旧500円玉は、なんと8億枚弱。つまり流通している500円玉のうち、4〜5枚に1枚は旧500円玉という計算になる。かなりの量がそれぞれの家で眠っているのかもしれない。


「500円札」の流通量が2億2760万枚だというから、旧500円玉が見当たらないのも納得できる。

すでに、懐かしささえ感じる旧500円玉。
あの旧500円玉は今、姿を変えて、今も僕らの財布の中にいた。
(イチカワ)