話題の京都・嵐山『美空ひばり座』へいってきたよ
(写真上から)<br>あいさつの途中で、感極まって涙する和也社長。<br>五木ひろしさん、岸本加世子さんらを館内案内中。<br>新宿コマ劇場の楽屋を再現したという展示。メイク道具や膝掛けなども、すべて実際に使っていたもの。<br>東映の役者さん達によるみごとな殺陣。皆さん、ひばりさんと共演されたことがある方々だそう
デビュー当時の近藤真彦は美空ひばりを知らず、本人に面と向かって「おばさん、歌うまいね!」と発言し周囲を凍りつかせたというのは有名なエピソードだが、そんな彼女の活躍を現役で知らない若い世代の人にも楽しめるこんな施設ができたようです。
話題の京都・嵐山の『美空ひばり座』、26日のオープンにさっそくいってきましたよー。


到着すると、すで建物の周囲はファンとおぼしき何百人ものゴージャスなマダム達がいっぱい。なんか……私って場違いかも?? と思いつつ、まずはオープニングセレモニーを見学することに。司会は徳光和夫、ゲストは他に五木ひろし、3人娘の雪村いづみ、女優の岸本加世子(ひばりさんから生前に譲り受けたという着物姿で登場)他が参加していたのだが、皆、ひばりプロの加藤和也社長のことを幼い頃から知っているという人が多く、「和也クン、立派なあいさつだったわよ!」みたいな感じで、まるで自分の息子か親戚のように見守っていた姿が印象的でありました。りんごの花がハラハラと舞い散る最高の舞台装置の中、ドラマティックに看板が除幕されいよいよ中へ。

まずは、『ALWAYS三丁目の夕日』を思わせるテーマパーク風の空間で、ひばりさんの人生を辿りながら「昭和」を追体験できる展示を堪能。等身大パネルにくっついているリンゴに手でふれると、当時のエピソードなどをその時の年齢に合わせたひばりさんの声で解説してくれるのもすごい! ハイテクです。
展示は10年ごとに区切られており、私の場合は昭和50年代から記憶にありました。不死鳥として復活したコンサートとか、うっすらと記憶にあるある! と頷きながら、その当時の自分や家族を取り巻いていたできごとをふと思い出したり……。

そういえば、今や飛ぶ鳥を落とす勢い!? の黒人演歌歌手ジェロが5、6歳で初めて唄ったのは美空ひばりの「越後獅子」だったとか。和也社長もジェロのことはけっこう気にしているようで、「音楽は国境とか、そういうものすら越えるんだなーって思いました。(ジェロには)まだ会ったことはないんですけど、いつか見にきてほしいですね」とコメント。

ちなみに、個人的にグッときたのは美空ひばりという人の芸能人としてではない、「素」の部分がフィーチャーされていたこと。
目黒区青葉台の自宅居間が再現されていて、そこにはカセットデッキなどの愛用品がズラリ。ここでいったい、どんなことを考えていたんだろうなぁ〜と、芸能人としてではない1人の女性としての彼女に思いを馳せました。
と、そんな感じで昭和を駆け抜けた歌姫の偉大さにふれるというだけでなく、より身近な存在として親しみを感じられるのが新生「美空ひばり座」の魅力といえるかも。嵐山観光にくる機会があれば、あなたもぜひ「ひばりお嬢」に会いにいってみてはいかがでしょう。
(野崎 泉)
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