<全米女子オープン 事前情報◇9日◇チャンピオンズGC(米国テキサス州)◇サイプレスクリークコース(6731ヤード・パー71)、ジャックラビットコース(6558ヤード・パー71)>
プロ転向時から掲げているメジャー制覇。今年はその海外メジャーで2度のトップ10、さらに今回は前週11位タイと悪くない順位で入ってきたが、どうも畑岡奈紗の表情はさえない。
理由は明確。「結果だけみたら悪くないけど、調子はまだ30%、あまり気持ちが良くない」と状態が上がってこないからだ。
下半身がすごい! 日本のエース・畑岡奈紗のドライバースイング【連続写真】
特に不調なのが畑岡にとって生命線となるアイアンショット。「良いときの感覚はなんとなく浮かんでいるんですけど、それにうまくクラブヘッドが動いていないというか、体が動いていないというか。ビデオで撮るとトップの位置が低い時があるようにも見える。そのあたりがうまく行ってない」。
原因が分かるようで分からないもどかしさが残る。しかも長い番手だけでなく、9番以下でも似たような症状になってしまっているという。
「そこ(アイアン)が崩れると自分のゲームがうまく作れないというか、そこを軸にやっている。今週はとくに距離が長く残るので、ずっと5番、6番アイアンのセカンドショットばっかりで大変」。さらに12月開催で気温が低く転がらない。「テキサスの空気の重さでしょうか? いつもより飛んでいない。
スイングが安定していないので、飛距離も出たり出なかったり。半番手くらい飛んでいない」と縦の距離を合わせるのに四苦八苦している状態だ。
そのなかでも光はいくつかある。まずはグリーン周り。メジャーのセッティングに加えて、「コースは全体的にグリーン周りが砲台になっていて、手前からのアプローチが難しい。パー5はピンの位置によっては止まるボールが打てないところもある」と求められることは多いが、「ペリカン(2戦前のペリカン女子選手権)が終わったあとはアプローチを中心にやっていたので、アプローチの調子は良くなった」という仕上がりは好材料だ。

また、前週も同じテキサス州の試合に出たこともいい方向につながりそうだ。「先週はちょっと寒かったけれど、良い練習になってよかったと思う。芝質もフロリダともちょっと違うので、先週は芝に慣れたいと思って出ることにしました。うまくいってたらいいなと思う」。日照時間の関係で予選ラウンドが2つのコースになるなど、覚えることが多い中、肌でテキサスのゴルフ場を感じられたことは大きなアドバンテージとなりそうだ。
それらを踏まえてクラブセッティングも2パターン考えている。
「グリーンが硬いので、基本は2つのハイブリッドで、なるべく高いボールで攻めていきたい」と上から落とす攻め方が中心となるイメージでいる。そのなかで、「基本的には変えないですが、風の向きによっては4番ハイブリッドを抜いて、4番アイアンを入れることがあるかもしれない」とその日の状況に応じて、14本の武器を選んでいく。
なにはともあれ、まずはアイアンの調整が急務。「もうかなり(練習で)歩いている。あと5日間あるのであまり疲れない程度にやりたい」。限られた時間のなか、悲願達成へ何とか1%でも状態を上げていきたい。


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