
1.FIRE達成者はより多くの投資手法を採用──オプション取引も視野に
FIRE(経済的自立・早期リタイア)を「達成している」と回答した60代以上の投資家は、他のグループと比較して、より多様な投資手法を取り入れている傾向が見られた。特に「オプション取引を使った投資」を実践している割合は、「興味がない」グループの3.2%に対し、「達成している」「もうすぐ達成できそう」グループでは11.3%~16.6%と顕著な差が。
一人当たりの投資手法の数も、FIRE達成者では平均2.6と最も多く、多様な知識と実践がFIRE達成に繋がっていることが示唆された。
米国株投資で主に実践している投資手法(複数選択可):(FIRE達成度別)また、実践している投資手法の数はFIRE達成度合いが高まるに従って増加していき、興味がない:2.15に対して、達成している人は2.60個の手法を組み合わせていることが明らかになった。

2.投資歴が長いほど「老後のお金の不安はない」──早期投資が安心をもたらす
老後のお金に対する不安について投資歴別に分析したところ、「全く不安はない」と回答した人は、投資歴「20年以上」で19%に上る一方、「1年以下」では0%という結果に。逆に「非常に不安」と回答した人は、投資歴が短いほど割合が高く、「1年以下」では36%に到達。この結果は、長期にわたる投資経験が老後への経済的な安心感に繋がる可能性を示している。

3.投資目的は「将来の不安解消」から「趣味や余暇」へ変化
米国株投資の目的について、投資歴が「1年以下」の層では71%が「将来のお金の不安を解消するため」と回答。しかし、「20年以上」のベテラン投資家ではこの割合が37%に低下し、代わりに45%が「趣味や余暇に使える資金を得るため」を目的としている結果に。
これは、投資を長く続けることで経済的な基盤が安定し、投資が生活の不安を解消する手段から、人生を豊かにする手段へと変化していくと同社は考察している。

4.信頼できる情報源は「専門家」が中心、長期投資で多様化
投資歴が「1年以下」の投資家は、57.1%が「日本あるいは米国の専門家が解説する情報」を最も信頼できる情報源として挙げ、投資歴が長くなるほど、有料の精度が高い情報を重視している傾向が見られた。また、投資歴に関わらず専門家の情報が特に重視されていることがわかった。
5.7割以上の人がリターンを獲得──長期投資で大きな利益も
これまでの投資で得たリターンについて、全体では90%以上の人が何らかのリターンを得ていると回答。利益を得た投資家のうち、「投資歴20年以上」のグループでは、51%が「1,000万円以上の利益」を得ており、他の投資歴のグループを大きく引き離す結果に。この結果は、投資期間を長く確保すること、つまり人生の早いうちから投資を始めることが、大きな利益を得る上で極めて重要であることを示していると同社は考察。

6.相場の下落は「チャンス」──投資歴が長いほど冷静な視点(投資歴別)
短期的な相場の変動(株価の上下動)に対する意識では、「投資歴20年以上」の投資家の60%が「株価が下がったら、買いのチャンスと考える」と回答。一方、「1年以下」の投資家ではこの割合は36%にとどまっている。投資歴が長くなるほど、相場の短期的な変動に一喜一憂せず、むしろ下落を好機と捉える冷静な視点が養われる傾向が見られる結果となった。

調査名称:60代以上の投資意識調査
調査対象:同社にメールアドレスを登録していただいているお客様
調査期間:2025年6月~7月
調査方法:Webアンケート
回答数:416件
実施主体:株式会社Wealth On(ウェルスオン)
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上合計が100%にならない場合あり
<参考>
株式会社Wealth On調べ『投資意識に関する調査』