吉田悠希「愛の避雷針」~坂道にズーム そこまで推すか!~
乃木坂46、日向坂46、櫻坂46……“坂道シリーズ”を愛する、セント・フォース随一のアイドルオタク・吉田悠希が、“今推すべき楽曲”をグループの魅力とともにご紹介していきます
坂道オタクの吉田悠希です!
このコラムでは、今、推すべき楽曲を、坂道グループの魅力と共にご紹介していきます。
今回は、9月より全国4会場9公演を行った櫻坂46、初の全国ツアー『1stTOUR 2021』にズーム! 私は、10月29日~31日に埼玉スーパーアリーナで開催された、東京公演の2日目に参戦してきました。
改名から約1年。集大成となるこのライブで感じた櫻坂46の“今”を、グループのこれまでを振り返りながらお届けしたいと思います。
■“欅坂46”というフィルター越しの櫻坂46
昨年2020年10月の『THE LAST LIVE』にて“欅坂46”と前向きなお別れをし、12月に再始動した櫻坂46。振り返ると、あの時の櫻坂46は、なにかが起きたら壊れてしまいそうな脆さと、とにかく前に進むしかない絶体絶命の力強さが混在した、未知のグループでした。応援している側も「どう受け止めたら良いのだろう?」とか「どう感じるべきなのだろうか?」といったように、真正面から櫻坂46を楽しむというよりは、この事象をどう前向きに理解するべきなのかという視点で、グループの歩みを見守っていたように思います。
改名したからと言って“グループの再始動”を手放しで喜べるわけもなく、いつも頭の片隅には「これって欅っぽいよね?」とか「てち(平手友梨奈)がセンターだったらどんな作品になったんだろう?」といった思考があって、なかなかそこから離れられなかったことも事実です。“欅坂フィルター”をその眼に忍ばせていた私にとって、一方の眼で櫻坂46を追いながらも、もう一方の眼で欅坂46の過去の幻影を追っているような状態でした。櫻坂46を応援している以上、欅坂を懐古したり、語ることは、今を頑張っているメンバーに対して申し訳ないのではないかと、その眼をぎゅっと瞑るように、蓋をする。でも結局、そうしていなければならなかった理由は、紛れもなく、欅坂46が大好きだったからなんです。
今回のアリーナツアーは、複雑で過酷な1年を歩んできた櫻坂46にとって、初めての全国ツアーであるとともに、グループからの卒業を発表した一期生のあかねん(守屋茜)とぺーちゃん(渡辺梨加)の姿を観ることが出来る、残り少ない、大切なステージでもありました。それゆえに、ライブに向かう途中は、久々の会場でのライブ鑑賞に気持ちが高揚するのと同時に、櫻坂46の“今”と向き合う緊張感、欅坂46時代から今に至るまでグループを支えてくれた一期生が卒業を決めたという現実が、果たして前向きなのだろうかという不安。そして私は、櫻坂46に“なにを求めているのだろうか?”と自問自答しながら、会場へ歩みを進めました。
■改名1年、この1stツアーで感じた櫻坂46の現在地
「初めて、櫻坂46そのものをライブで楽しめた」-これが、このライブを観終えた直後の率直な感想でした。
ライブの冒頭は、今やすっかり体に馴染んだ『Overture』で会場が一体となったところで『Dead end』の軽快なイントロと、るんちゃん(森田ひかる)の煽りで幕を開けました。
中盤の『思ったよりも寂しくない』のパフォーマンスは、この日披露された作品の中で、一番だったと個人的には思っています。会場に設置されたキャンプファイヤーを囲んで、歌い踊る姿は、これまで観た櫻坂46の中で一番、輝いていました! この作品は、詞、MV、ダンスの振り付け、演出の全てに、感動や絆、幸福への期待が詰まっているのですが、この日は、そうした要素が創り出す、盛り上がりの予定調和を各段に上回ったパフォーマンスを届けてくれました。みんなで顔を見合わせて微笑む瞬間、曲中に自然と溢れる笑い声、その全てがシナリオを超えた、本物になっていたからです
ライブ後半の『Nobody’s fault』『なぜ 恋をして来なかったんだろう?』『Buddies』と、1stシングルの3曲が続くセットリストは、約1年前の『デビューカウントダウンライブ』を思い返しながら、その完成度と成長に、ただただ胸が熱くなりました。そして、畳みかけるように続く『BAN』『流れ弾』で、会場全体が真っ赤なペンライトで埋め尽くされたアリーナを観た瞬間の感動は、2019年の東京ドームで観た『ガラスを割れ』のあの景色が、この日のさいたまスーパーアリーナで更新されていくような不思議な感覚でした。
改名してからの櫻坂46を応援していたこれまでは「何が正解なんだろう?」と、どこか悩みながら、楽しみ方を模索していたような気がしています。でも今は、ステージで観た櫻坂46が、今の彼女たちが、最善であり、現在の最高点であると納得ができる。なぜなら私はこの日、目の前のステージに“欅坂46”を探さなかったからです。「ああ、この日のために櫻坂46を応援し続けてきたんだ」と。心の底から、そう思えたライブでした。
■武道館ライブも開催! 2021年を櫻坂46はどう駆け抜ける?
ふと、櫻坂46という名前になることが発表された日、渋谷のスクランブル交差点の電光掲示板に映し出された“欅坂を超えろ”というメッセージを思い出しました。
今回の『1st TOUR』の東京公演最終日には、12月9日、10日に櫻坂46のデビュー1周年を記念したライブ「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」が日本武道館で開催されることが発表されました。ツアーを終えて、より一層団結した櫻坂46は、私たちにどんな姿を見せてくれるのか。そして卒業を控えたあかねん(守屋茜)とぺーちゃん(渡辺梨加)にとっては、アイドル人生最後の卒業公演となります。欅坂46結成時から今までグループを牽引してくれた大切な2人の門出を、全力で見届けましょう!
【吉田悠希の坂活日誌】
さいたまスーパーアリーナで開催された東京公演、私は2日目に参戦。この日の感想はYouTubeチャンネルに集まってくださった”buddies”の皆さんと共有しました!
協力:Seed&Flower合同会社